エチエンヌ・ペルネ広場(1)
 

「12月の季節」

 2週間ほど日本に行き、抜けて、またパリに帰ってくると色々なことが押し掛ける。パリ日本文化会館では、来年1月までの江戸時代の小紋の型染め型紙展の評判が高い。19世紀に浮世絵の美しさを発見し、世界に広めたフランス人たちだから、ぴったりな好みなのだろう。小紋染めの型紙作りは、主人が型紙材に細かく小さな点々を明け、細い線を切り、奥さんが渋柿を塗り、貼り合わせ、補強して1枚の模様型紙に仕上げる典型的な夫婦共同作業。昔の家族はそうだったなーと、入口で流されるビデオの光景に見惚れる。テレビドラマなどの画面では分からないが、武士の裃は、無地ではなくてみんな点々の白穴で埋まった小紋模様で染められ、複雑な色合いのトーンを見せていたのだと驚く。また別に学士院所有のマルモッタン美術館では、モネが持っていた浮世絵の展覧会も開かれている。来年2月末まで続くので、これもその内に見に行こう。

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