コロネル・ファビン広場
 

「夏時間」

 街はテロのニュースで一杯である。キリスト教文化とイスラム教文化、中世西欧成立以前から千年以上も続いている対立なのだから、これに終わりはない。とんでもない物に、火がついた。仏教でも、儒教でも、キリスト教でも、八百万の神で、極東の最東端にあって、主義にこだわらない、良いところ取りで、何でも取りこんでしまえる日本人の特殊性は、現代の救いなのかも知れない。
 フランスの三月は、地方圏議会と県会議員の選挙で終わった。
 フランス革命の時に83県が誕生し、現在は96県になっているが、これを二十世紀に入って地方毎の経済単位でまとめたのが22圏、つまり22人の圏議長があり、その下に96人の県知事と、その議員選であるから、選挙ニュースで沸くのは、日本と同じ。
 シラク大統領派の右派・中道派の首相が、2002年の4月から続いているが、それ以前の二十年間は社会党の政権だった。社会党は、皆が楽をして、分け合って、天国社会を口で約束してくれるが、3Kは忘れている。信じる方がおかしいのだが、要は負担や税金を重くし、国庫に集め、助成の名で分配する。個人企業や国の経済がこれで成り立つ訳もないから、すっかり空になって、さすがにどうにもならなくなると、右派が勝つ。社会制度建て直しを計るのだから、甘い汁ばかりはない。首切り、整理、厳しい現実に直面しなければならない。何とかまた成りだすと、破産したロシアモデル共産主義国とまでは思わないらしいが、理論を長く、口先上手に、楽を勧める社会党気分が、また芽を吹き出すのである。

2004年3月29日 赤木 曠児郎  
BACK  

page3/3