シャロンヌ大通りのカッフェ
 

「デモのパリ」

 しかし現在、国家予算の44%が公務員の給与と年金で出費され、現制度のままの率で増え続けると、35年後に国庫収入の90%は公務員のサラリーと年金だけで消費され、国が成り立たなくなると試算され、それで何とかしなければと改革に手を付けたのだから、現政府に頑張れと応援したいところ。社会党政権の続いた20数年、計画経済の名のもとに生産と関係なく分配だけをちらつかせ、労働者の要求に対して振りまき、国営企業にして経営者を送り込み政治資金のピンはね確保、失業者の増加を隠すのに公務員を増やし、外資導入や金持から税金で取り立てて賄うというのが、庶民票を満足させる社会主義の口先人気取りだったから、この一年、新大統領派中道政権誕生で改革に取り組んだところで、今度は出番と、社会党系、共産党系の息のかかった専業労組が、糸引いてあちこちストやデモを指導している。数種の労組の書記長は、連日あちらのデモ、こちらのデモ、趣旨は変わっても同じ人が、テレビのニュースの時間に登場してよく喋りスター並み、ほんの4〜5人の顔触れである。首相は300万のフランス全家庭に、説明と理解を求める手紙を宅配で配布した。

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