ノートルダム・ド・パリ
 

「戦時下のパリ」

 そのディズニーランド駅の一駅手前の場所には、近年一面畑の真ん中に巨大なショッピング・モールも誕生し、200社以上のフランスの知られたブランドが、地上二階、地下一階にわたってデパート3軒分くらいの面積で店を並べていて、話題のもの、飲食、喫茶チェーンまで何でも揃う。そのうえ地続きの場所には、60社の著名ファッション・ブランドが独立家屋で集まった「安売り村」が近年出来、シーズン3ヵ月たった物を3割引で処分するので有名、ここのまたバーゲンとなると、もう半額以下である。
 周りに多いベッドタウンの住民にも便利で、休日、交通混雑なパリまで行かなくても緑の中で過ごせ、旅行者はパリにルーブル美術館とノートルダム寺院とエッフェル塔を一日さいて、ここから見に行けば済むから、ディズニーランドも万々歳で一日はセットでこちら。一年前には隣に「ディズニー・スタジオ」ディズニー映画専門の第二ランドも拡張した。短期旅行レジャー向きに応えていて、初期の赤字、赤字と言われた頃から完全脱却したようである。世界の観光地パリから30キロというのも幸いし、ホテル需要に価格がピッタリなのが当たったのだろう。他のフランス各地の同様施設は経営困難のニュースが多いのも忘れてはならない。
 海外からの旅行関連業界はキャンセルの連続で戦争を嘆いていて、その上にハノイ・香港から新しい肺炎ビールス騒ぎで、もうひとつ踏んだり蹴ったり、観光立国なんて言ってもサービス業はやはり水商売といわれるように、不安定なものである。

2003年4月7日 赤木 曠児郎  
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