プリュネ将軍通りの古道具屋
 

「パリと日本

 それで、ヴュトンとか、エルメスなど、パリの高級品店も競って店舗を日本に持とうとするのだなと、行列までして買い物に押しかける日本の若い人たちの姿を思い浮かべる。このような高価なものを買える収入のある国は、流行のせいなんかではなくて、現在は日本がトップなのである。一九六〇年代、今から四十年むかし、日本は低賃金で、安い工業製品を作っては輸出競争に勝ち、不当だと世界の批難の目にされていた時代が嘘のようで、全てが高すぎるのであるから、維持できなければ、平均するまで下がるのは、リストラや失業の不安も、経済の第一歩ごく常識的なことかもしれない。

BACK NEXT

page2/3