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【解説】2022年も不動産市場の高騰は続くのか?

首都圏のマンション価格がバブル期の水準を超え、過去最高となりました。なぜマンション価格の高騰が起きているのか、この価格上昇は2022年も続いていくのか、専門家に聞きました。(「不動産の話で困ったときにみるやつ」より抜粋・編集)
■2022年も不動産市場の高騰は続くのか? 駒田健吾キャスター:2022年も不動産市場の高騰は続くのか、民間の調査会社、不動産経済研究所によりますと、11月に首都圏で発売された新築マンションの平均価格は6123万円と去年の同じ月を上回りました。2022年の不動産市場はどうなるのか、LIFULL HOМE’S総研副所長の中山登志朗さん、大和証券シニアエコノミストの末廣徹さん、それぞれの見解を伺ってまいります。 LIFULL HOМE’S総研副所長 中山登志朗さん:今、マンション価格っていうのはバブル時のピークを超えています。マンション価格が上がっている中では、やはり買いにくさっていうのは徐々に高まってきています。新築が買えないから中古で良い物件があればそちらの購入を考える方が増え、中古物件の価格も連動して上がってしまってる状況にあります。日本の「消費者物価指数」、「企業物価指数」が上がらない中で「マンションの価格」だけ上がってしまうというのは、買いにくさに直結しているはずなのですが、それでもマンション価格が下がらないワケとなるのが、その販売方法です。 今、新築マンションのマーケットでは、「売れる数だけ作って売る」“数を絞り込んで売っていく”という作戦がとられています。少量で売れる数だけ売っていけば、その企業の拡大という部分でいうと、若干減速要因になってしまいますが、そこを取り除いて「売れる数だけ着実に売り、利益を確保する」という作戦をとってくるデベロッパーやハウスメーカーは当然出てきます。「数を追う営業をしていない」ということがこの高値を維持している一つの背景にあるのかなと思っています。 首都圏の新築マンションの平均価格を見ると、やはり首都圏ですから一都三県、日本で一番不動産価格のボラティリティが大きいので、それを見るとこういう数字になってるわけですけども、全国平均的に言うと価格はどうなのかというと新築マンションでも4500万円から5000万の間ぐらいでずっと推移してるんですよ。一般的な給与所得者でもギリギリ手が届くような金額で売ってるという状況にはあるので、「首都圏の価格の高騰」=「全国的な価格の高騰」じゃないというところは一つ見ておく必要はあるのかなと思います。 “木を見て森を語る”みたいなことをしてしまうとちょっとミスリードになっちゃうのかなという気もしないではないので、自分が欲しい物件、借りたいと思ってるエリアの物件の価格がどういうふうに推移しているのかということに注意を払う必要あるのかなというふうに思います。 駒田さん:2022年の首都圏の平均価格の傾向というのは、もうちょっと上がっていきそうですか? LIFULL HOМE’S総研副所長 中山登志朗さん:前年度の住宅ローン減税の制度が活きているわけですから、このタイミングでは価格はある程度維持されると思います。4月以降、新しい税制にスライドしたときに、売れ行きがどうなるのかなっていうところが、若干憂慮されるところ。それによっては価格に多少の影響がある可能性ってのは出てくると思いますね。ただ先ほど申し上げた通り、数を追わない販売スタイルに今、どこのマンションデベロッパー、ハウスメーカーも転換しています。数をたくさん売って、鉄砲をいっぱい撃ってですね、当たったものから順番にっていうようなやり方ではどうしても利益率が落ちちゃうんですよ。なるべく在庫を抱えずに売り切っていく筋肉質なスタイルにどちらの売り側もしているので、利益率を上げるということであれば、価格を落とす必要もない。確実に買いたい人のお手元に届けばいいという発想に変えてるのかなと思いますので、ある程度価格は維持されるんだろうなと思いますね。 駒田さん:末広さんはいかがですか? 大和証券シニアエコノミスト 末廣徹さん:しばらくはポーズだと思うんですけど、利上げをするぞとかですね、引き締めるぞ、正常化するぞっていう話があるので、アメリカは特に個人投資家がかなり盛んに株を買いましたので、そういう人たちがちょっと萎縮すると、アメリカの株価も伸び悩んで連動して日本の株価も少し伸び悩む。ただ、痛めつけることはないと思いますので日本もアメリカも選挙がありますので、横ばい圏がメインシナリオかなと思うと、少し首都圏マンションの価格伸び率も今年より鈍化するかなというふうに予想してます。 LIFULL HOМE’S総研副所長 中山登志朗さん:今株のお話ありましたけども、このところの日経平均はずっと好調に推移してたので株である程度資産を形成されたアッパー層って、一定数日本にもいるんですよね。そういった方がその資産の付け替えに動くっていうのは、今年に入ってから顕著なスタイルになってきてまして、要は株で得た利益を、そのまま置いといて株が大きく下がったりしてしまったらせっかく上がったものは、もう元も子もなくなってしまうので、それを安定的な資産に付け替えるっていうことをよく皆さんするんですよ。だからその利益で上がった金額によりますけど例えば「金」を買ったりとかね。別の証券に買い換えたり、外貨預金してみたりとか、少し利益は落ちるんだけども、ある程度の利回りが得られるようなものに買い換えようと。そうした資産さんの付け替えに動いていくと、ある程度のお金をまとめて入れて何とかなるだろうで不動産を買われる方っていうのは投資家さんでも結構多いんですよ。そうすると、物件の価格が上がってても気にしない。例えば平均の6529万円で仮にあったとしてそのうち4000万ぐらいはとりあえず現金でポンと入れておいて、残りはローンを組もうとか、住宅ローン減税3000万円まで元本を受けられるから4000万ぐらいにしといて少しずつ返してって毎年毎年フルに住宅ローン減税受けようとかですね、そういう考え方であえてローンを組むという方もいらっしゃるので、その「資産形成の戦略」っていうところに、「株価」と「不動産住宅価格」っていうのは大きく影響してるというふうに思っていただくといいと思いますね。 駒田さん:税制大綱で決まった税率で4月以降は行くわけですけれども、「住宅ローン減税」を住宅購入の決め手にはしないほうがいいんですよね? LIFULL HOМE’S総研副所長 中山登志朗さん:最後に“損得”についてのお話を是非しておきたいと思うんですけども。住宅購入というのは人生で一番、高い買い物とか大きな買い物というふうに言われる通り、大げさに言うとその後の人生、この物件を買ったことによってどうやって生きていきたいのか、どういう生活をしていきたいのか、という自分のライフスタイルを築く基準になるようなタイミングだと私は思っています。その中で、目先の住宅ローン減税がね、年間40万円が21万になっちゃうんだみたいなことを、19万円年間損するんだと。10年間で190万は大きいよねっていうふうなお気持ちはよくわかるんですが、その損得だけで不動産買ってしまうと、「あっしまったこの物件慌てて買うんじゃなかった」っていうふうにですね、後悔することが絶対あるんじゃないかな。そのケースが増えてしまうんじゃないかなというふうに思いますので、目先の損得だけで買ってしまうと後で結果的に損する可能性、特に資産価値の下がるようなエリアに不動産を合わせて買ってしまうとか、これも最悪のパターンですしそういったことを考えたときに、いかに将来的に、その不動産の価値が保たれるエリアに不動産を買えるかっていうところが不動産購入においては一番重要なポイントになるというふうに思うんですね。だからその目先の、その10万20万なのか、それとも自分が買った物件と仮に5000万円で買ったものが、10年間で半額になってしまって2500万円の損を出してしまうということになったときに、その目先の住宅ローンの10万20万を重視したが故にですね、最終的に資産価値の大きく下がるようなところに不動産買ってしまってはまさに損得だけで考えて、あぶはち取らずということになりかねないので、その辺は重々熟慮の上、不動産購入を検討していただきたいというふうに思います。 (「不動産の話で困ったときにみるやつ」より抜粋・編集)(09日09:00)

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