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感染拡大も「マスクすると目立つ」ロンドン。岡村仁美アナが住んで感じた「ルールと自由」【私の2021】

変異ウイルス「オミクロン株」の感染が世界で拡大している。特に欧米では急増していて警戒感が高い。現在育児休業中の岡村仁美アナウンサーは、家族の都合でイギリス・ロンドンで生活を続けている。現地の様子を聞くと、日本では“非常識”ともみえるロンドンの“常識”が見えてきた。(聞き手:TBS報道局 久保田智子)
■マスクしない自由?感染者急増のロンドンの日常 イギリスでは、新型コロナの新規感染者が12万人を超え、3日連続で過去最多を更新した。(2021年12月24日現在)14日からの10日間で倍増していて、感染拡大が続いている。現地の様子はどうなのか? 岡村仁美アナウンサー「警戒感は高まっています。でも、いまも外出している人は多いです。日本との大きな違いは、こんな状況の中でもマスクをしていない人が多いことだと思います。こちらはルールが明確で、今は店内や公共交通機関では着用が義務化されていますが、それ以外のところではマスクをしていない人ばかりです。最近は外でマスクをしている人も増えた気もしますが、昨年渡英した当初は公園などでマスクをしてる人を見ると目立って、あ、日本人だなとすぐわかりました。私はスーパーに入るとマスク着用。買い物が終わってスーパーを出たら、即マスクを外します。これがロンドンでの日常で、常にマスクをしている日本の皆さんからすると非常識にみえるのかもしれません」 イギリス政府は、2020年3月からコロナ対策で生活必需品の買い物などを除き外出を禁止し、可能な限りの在宅勤務を指示する「ロックダウン」を断続的に行っていた。しかし、2021年7月、法的規制をほぼ撤廃。ボリス・ジョンソン首相は、今後は“個人の注意と責任”が重要だと強調している。イギリスのコロナ対策は、『政府による強制』から『個人の判断』へと移行した。 ■厳格なルール 背景に多様性も? 2020年7月に渡英した岡村アナ。コロナ禍のイギリスで双子の女の子の子育てを続けてきた。イギリス政府がコロナ対策で個人の判断を尊重する背景に、イギリス社会が抱えるある特徴があるのではと感じているという。 岡村アナウンサー「ロンドンは多様性に満ちた社会です。2歳の娘たちにもそんな経験をさせたいと、週2日だけ現地の保育園に通わせていますが、同じクラスには本当に様々な人種の子どもたちがいます。いろんな価値観を持った人たちが、同じ社会で一緒に暮らすにはルールが大切。一方で、それぞれの違いを尊重する自由も同じくらい重要です。そのため、ルールは強制力がありながらも最低限のもの、という意識が根底にあるのではないでしょうか。マスク着用も、マスクをしない自由が大前提で、ルールがあるところだけつければいいという判断なのかなと思います」 3度目の接種を受けたばかりだという岡村アナ。イギリスでのワクチン接種は外国人であってもスムーズに行えたという。 岡村アナウンサー「日本のようにワクチン接種券を待つ必要なく、イギリス人であろうが、外国人であろうが、接種対象になれば、すぐにネットで申し込みができました。もちろん空きがあればネットを介さず、予約なしでそのまま会場に行くこともできます。生活に必要なものを、平等に、シンプルに提供してもらえるのは、私のような外国人にとっては特にありがたいシステムだなと思いました。このあたりも、もともと多様なニーズに対応する社会の土台があるからなのかなと思いました」 ■イギリス“標準”から日本“標準”へ 2022年、岡村アナは日本に帰国し、3月をめどにTBSに復職することを予定している。実はいま、大きな課題に直面しているという。 岡村アナウンサー「日本に戻って速やかに復職できればと思うのですが、そのためには娘たちの保育園への入園が必要です。ところが、日本では住む予定の住所が決まっていないと、申し込み自体ができないと言われました。もともと住みたいエリアは決まっていたので、まだ帰国は先ですが、マンション賃貸を始めて住所を確定させました。さらに、手続きがオンラインではできず、書類を日本にいる母に頼んで代理で提出してもらいました。それでも2歳児2人が入園できるか不安です。というのも、保育園は自治体が世帯の状況により点数を付けて入園の優先順位を決めます。本来なら私は、夫のロンドン勤務が続くので『単身赴任』、さらに『双子』の調整点の対象のようなのですが、海外にいるために加点してもらえないそうです」 多様なニーズに対応するイギリス標準とはちがって、日本の標準は、少なくとも岡村アナの現状には厳しいようだ。“多様性”は日本でもキーワードになっている。多様性を尊重し、包摂する社会とは具体的にどのようなかたちなのか。2022年、イギリスでの生活を通して新しい感覚を得た岡村アナに、新鮮な目線で日本の現状や課題を伝えてもらいたいと強く感じた。 岡村仁美アナウンサー2005年にTBSテレビ入社。『報道特集』『時事放談』や『Nスタ(日曜)』などを担当し、2015年からは報道局社会部兼務。記者としてもニュースに携わっている。神奈川県出身。(30日08:00)

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