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『死にたいな。もう頑張ったもん。』自分宛の手紙を書いた男性、コロナ禍で急増する若者の自殺【報道特集】

2020年、自殺者の数は11年ぶりに増加に転じた。中でも特に増えたのが10代、20代の自殺。前の年に比べ、2割近くも増え、合わせて3298人となっている(警察庁自殺統計)。
■若者を追いつめる“孤独感” 「コロナじゃない頃は頻繁に誰かとご飯行ったりとか、よくしてたから、そういうのもないし、思いを共有できる人もいないし、孤独感もあるでしょ。弱ってたよね、弱ってたから死のうとしたわけだし」 自ら命を絶とうとした24歳の男性。きっかけは仕事が続かないことに対する自責の念だった。 「去年の2月に働き始めたんだけど、体調が良くなくて、2週間ぐらいで会社に行けなくなっちゃって。就職する時に給料交渉までして、自分はバリュー(価値)出せるからもっと給料上げて下さいって話ししたのに。あんなに言って入ったくせにすぐ辞めた俺、ダメだなみたいな・・・」 3か月後の5月、友人のつてで、議員秘書の見習いを始めたが、周りの雰囲気に馴染めず、わずか1日で辞めてしまった。 ちょうどその頃はコロナ第1波の中。悩みを一人で抱え込み、追いつめられていった男性は、次第に死を考えるようになった。 「その時は人に会うこともなかなかできない中で、コロナだったんで。孤独との闘いかなと思ってて。どの選択肢をとっても真っ暗に見えて」 そして去年7月、男性は自ら命を絶つことを考えた。 「ロフトのところにベルトをかけて死のうみたいな。もう明日を迎えたくないみたいな」 男性は偶然部屋を訪れた知人に助けられ、一命を取り留めた。そしてすぐ精神科病院に入院した。 『死にたいな。もう頑張ったもん。やっぱり怖いよ何もかもが。』『生きてるだけ無駄だよな。苦しいな。苦しいな。』 これはその時、自分に宛てて書いた手紙だ。 「他人目線で俺に話しかけてる。仮想空間で自分を心配してくれる人を作りたかったんじゃないかな。本当につらいよなっていうのがわかる、孤独の中で頑張ってきたし」 男性は今、公認会計士を目指し勉強に励んでいるが、いつまた死にたい気持ちに襲われるかわからないという不安はあるという。 「自己肯定感、超低いし、根本的には、生きたい欲は今でさえないし、転んだ時は落ちるとこまで落ちていっちゃうから、紙一重だなと思う」 ■自殺の理由「はけ口がないままストレスだけ溜まっていく」 “自殺リスクの高い相談が発生しました”(警報音声) 相談員A:私、入っちゃおうか。相談員B:今日すごい多いんです、11歳12歳ぐらいの相談。相談員A:多いですね。 死にたいと考える人たちに24時間、チャットで相談に応じているNPOがある。NPO「あなたのいばしょ」では、去年3月の開設以来、相談は増え続け、今は1日1000件を超えている。その多くは10代、20代の若者たちだ。 相談員:これも20代の女性の方ですけど、『死にたい消えたい苦しい辛いそんな気持ちでいっぱい』と。 中には待ったなしの相談もある。 『日曜日に自殺しようと思ってます。最後に少しだけ話を聞いてもらえたらと思いました。』『あと4分後には特急電車がここを通過します 返事遅すぎる』『さよな、さよなら』 相談員:例えば駅のホームに立ってる方に関しては、駅員さんだったり、警察とかとも我々が連携をしながら、対応にあたることもあります。 若者の自殺が増える理由についてNPO「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんはこう話す。 大空幸星 理事長「友達、会社の友人、同僚と直接会ってコミュニケーションとって仲を深めていく機会が今ないんですよね。なので必然的に頼れる人の絶対数は、これまでとは全然違ってきてると思います。はけ口がないままストレスの要因だけは溜まっていくので、逃げ場がなくて苦しんでいるのが今、起きていることだと思うんですよ」 ■『死にたい』ツイートに『イイネ』 このNPOではSNS上でのパトロールも強化している。ツイッターなどで自殺に関する言葉をつぶやいている人を探し出し、相談窓口につなぐ取り組みも行っている。 大空幸星 理事長「(ツイッターで)『死にたい』ってつぶやいてる人がいた時に、『イイネ』をするんですね。プレッシャーを感じさせないために『イイネ』がギリギリのラインで。相手は相談窓口に『イイネ』をされるので、そういう相談窓口があるんだということをわかってもらえる。もう(自殺をしようとしている人からの発信を)待っているだけじゃなくて、自分から出向いて、相談していいんだよっていうふうなサインをこちら側も発信していくということが今まさに求められていることですね」 (報道特集10月23日放送より抜粋・編集)(30日19:52)

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