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入管が開示拒んだビデオ全面開示へ ウィシュマさん死亡、そこに映っていたものは…

名古屋入管の施設で死亡したスリランカ人のウィシュマさん。死亡にいたる経緯を録画した映像が遺族側に全面開示される見通しとなりました。これに先立ち、映像の一部を見た遺族と弁護士は・・・
この日、裁判所から出てきた遺族は、怒りを抑えることができませんでした。 ウィシュマさんの妹ポールニマさん:すごく悲しかったです。姉が亡くなる直前までのビデオを見ました。入管が姉を助けることができたのに助けてくれなかった。姉を入管が見殺しにしたのです。 姉のウィシュマさんが名古屋の入管施設で今年3月に亡くなる当日の映像を、ようやく見ることができたのです。 遺族は真相が知りたいと来日し、ウィシュマさんが映る入管施設内部のビデオの全面開示を求めてきました。 しかし入管側は遺族側におよそ2時間分の映像のみを開示し、全面開示と代理人弁護士の立ち会いは一切応じてきませんでした。 しかし10月1日、事態は大きく動きました。 遺族と弁護士が向かったのは名古屋地裁。この日、遺族と弁護士が同席した形で、初めて新たな映像が開示されたのです。 そこに映っていたのは、想像を絶するウィシュマさんの姿だったといいます。 遺族の代理人指宿昭一弁護士:バケツに吐き、食べては吐き、食べては吐き・・・ 遺族側によると、映像では職員がウィシュマさんの口に食べ物を入れようとするものの、ウィシュマさんはすぐに吐く、食べる、吐くを繰り返していたといいます。上半身を支える力もなく、吐くとバケツには頭が入ってしまう様子だったといいます。 さらに。 指宿弁護士:亡くなる前日、3月5日亡くなる前日の映像はショッキングだった。午前7時52分。あー!というふうに、報告書にも書いてあるんですけどこれはすごく高い声で、あー!っていう悲鳴ですよね。報告書にもこのことは書いてあるが、あの映像見るまでイメージわからなかった。もう本当に、命がなくなろうとしてるとしか思えない。 今回なぜ遺族と弁護士は新たな映像を見ることができたのか。 遺族が国を相手取り損害賠償を求める裁判の準備の中で、9月に名古屋地裁が、ビデオなどの証拠を確保する決定を出しました。 そして遺族は裁判官とともに名古屋入管に行き、ビデオを出すよう求めました。それでも入管側は当初「ビデオはここにはない」などと主張。10月1日になって、ようやく開示したのです。 遺族は、ウィシュマさんが亡くなる当日のビデオを初めて見ることができました。 指宿弁護士:3月6日午前8時12分の映像、ウィシュマさんが全く動きません。 ウィシュマさんが救急車で搬送されるおよそ10分前には… 指宿弁護士:(職員が)サンダマリさん、サンダマリさんってもう何度も何度も問いかけていました。でも全く反応がない。でも、救急車呼んでないんですよ。あの映像を見れば、現場で何が起こっていたのか。入管がどれだけひどいことをしたのか。助けられたウィシュマさんの命を助けなかったってことが、誰の目にもわかると思います。 10月4日の朝、取材に応じたウィシュマさんの妹、ポールニマさん。 ベッドの上でほとんど動かないウィシュマさんの姿を見て思い浮かんだのは、スリランカでずっと一緒にいた姉のぬくもりだったといいます。 ポールニマさん:姉が日本に行くまで、私と姉はいつも一緒のベッドで寝ていたんです。姉の体が少し温かいんです。私が姉と一緒にくっついて寝ていると、私の体にもその温かさを感じます。だからビデオに映る変わり果てた姉の姿が同じ姉だとは、どうしても信じられなかった。 一緒に来日したもう1人の妹、ワヨミさんは先日帰国し、ポールニマさんは今、たった1人で日本に残っています。 今回ビデオを見たことでさらに強くした思いがあるといいます。 ポールニマさん:姉の死因がわかるまで帰りたくないです。ビデオには見るのも耐えられなくなるほど弱っている姉の姿が映っていました。入管は何とかして姉の命を助けるべきだったのです。助けることができたのにと繰り返し思いました。ビデオを見たからこそ、絶対に真相を明らかにするために戦うんだという思いが強く湧きました。 遺族側には、今後裁判を通し、入管のビデオが全面開示される見通しで、10月5日に会見を行うとしています。(04日23:55)

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