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【解説】男性・肥満だとコロナ重症化リスクかなり高めに

新型コロナウイルスの新規陽性者数は全国で減少傾向になっていますが、死亡の発表は各地で増加しています。こうした傾向について、北里大のグループは「65歳以上」「男性」「BMI30以上の肥満」「2型糖尿病」の4つの要因が重症化リスクを高めるといった研究結果を発表しました。
どのくらいリスクが高まってしまうのか、東京歯科大学・市川総合病院医師の寺嶋毅さんに伺います。 井上貴博キャスター:私たちは生きていく上でゼロリスクというのは存在しませんので、その前提に立った上で、リスクをどう取るのか、新しい研究結果などを交えてお伝えしていきます。 13日に発表された東京の新規陽性者数は611人。ピーク時には5700人を超えていたところからぐっと減らすことができています。人流が減っていない中で、なぜ新規陽性者数を減らせたのか、ここはしっかりと検証をしていく必要があります。 一方で、13日の全国の重症者の人数は、12日より35人減って1975人。回復された方の人数の内訳は発表されていません。重症者数を性別で比較すると、男性の重症者が女性に比べて明らかに多くなっています。男女差については、ワクチン接種の副反応は女性のほうが多く出やすい一方で、重症者の数は男性のほうが多く、なぜこのような男女差があるのかよくわかっていない部分もあります。そして、新型コロナウイルスが原因で亡くなった方の累計人数は12日時点で1万6791人にのぼっています。 このような中で北里大学研究グループが新たな研究結果を出しました。2020年のアメリカでの陽性確認者2万8095人を対象に解析をしたところ、新型コロナウイルスによる入院・重症化の危険度に関して4つのリスクが浮かび上がりました。 1つ目は「65歳以上」2つ目は「男性」3つ目は「2型糖尿病(主に生活習慣病が要因)」4つ目は「BMI30以上の肥満」(BMI30=170センチ・87キロ/160センチ・77キロ) これら4つのリスクが多いほど危険度が高いことが明らかになりました。そして、入院・重症化の危険度がどのくらい高まるのか、数値も発表されました。 4つのリスクのうち・1つ該当で重症化リスク約3倍・2つ該当で重症化リスク約15倍・3つ該当で重症化リスク約38倍・4つ該当で重症化リスク約56倍 これらのデータは、決して重症化の危機を煽りたいわけではなく、適切にリスクを判断していただくためのものです。例えば、肥満の方が、必ずしもこうなるわけではありません。これらのデータに関して、北里大学薬学部の安藤航 助教は「リスクがいくつ当てはまっているかを把握し、予防することで医療の負担を減らすことができる」とおっしゃっています。ワクチン接種も大切ですし、治療薬もそろそろ出てくるかもしれない中で、あとは自分自身でできることも見えてきたということが言えるのかもしれません。 次に、大阪府の取り組みを見ていきます。大阪府では重症者のうちBMI30以上の人の割合を出しています。大阪府の20代以下の重症者20人のうち、BMI30以上の方の数は10人、つまり重症者の2人に1人が“肥満”の分類に当てはまるということになります。このデータを受けて吉村洋文 大阪府知事は9月8日の会見で「BMIだけが高く病気が出ていないと、かかりつけ医がいない場合が多く、ワクチン接種を受ける機会がない。それでいて重症化リスクは高い」とコメントしました。 BMI30以上の方々にワクチン接種をなるべく早く進めていただきたいということで、大阪府はこれらの方々をワクチン接種の特別枠の対象に追加すると発表しました。この辺りは自治体によって判断が分かれるところですが、こういう動きも出てきています。 ホランキャスター:一般論として疾患のなかで男女両方かかるけれども、傾向として男性の方がかかりやすいもの、女性の方がかかりやすいもの、というのは中にはあると思うんですが、感染症でも生物学上の性別でどちらかがかかりやすいということはあるのでしょうか。 東京歯科大学・市川総合病院医師 寺嶋毅さん:特にコロナの場合は当初から、やはり男性が多いと言われています。感染も多いですし、特に重症化ということに関して、ホルモンのことや免疫のこともあると思いますが、男性の方が喫煙や高血圧などの重症化リスクを抱えているという事も多いことが言えます。特に最近第5波になって、ワクチンが65歳以上に行き渡っている事もあるんでしょうが、30代から50代の男性で肥満のある方で、中等症から重症というような患者さんが多いような印象があります。そういう意味ではその生活習慣病ということも合わせると、日々の予防というのがとても大切かなと思います。 ホランキャスター:確かにその肥満というものは新型コロナウイルスだけではなくて、様々な疾患につながる可能性があるリスクではあるわけですよね。 寺嶋医師:そうですね。心臓の病気、糖尿病、高血圧、そういう疾患にも肥満は「リスクファクター」になります。それらがすべて新型コロナの「リスクファクター」であるということもまた改めて認識していただければと思います。 ホランキャスター:でも最近では「ボディポジティブ」といってどんな肌の色でも体型であっても形であっても、ありのままを受け入れてみんな素敵、というムーブメントがあると思うんですけれども、それぞれの体型によってリスクがあるものもある、ということを自覚することは大事かもしれないですね。 メンタルトレーニング指導士 田中ウルヴェ京さん:まったくその通りですね。「健康な状態」が人によって多少変わってきます。そのことをしっかり知る。つまりこれは「ヘルスリテラシー」と言って、健康ということに対してしっかり学ぶ、知識を得ておく。そのことができると、例えば「何を食べると私の体に良いか。今必要な栄養分はなんだろう」こんな知識がちょっとあるだけでも、この食べ物が実は今必要ない、でも脳が食べたいと思っているだけなんだなとか、自分で選べるようになる。コロナ禍を通して私たちは健康の事を意識せざるを得なくなった。これを良いチャンスとして、しっかり学んでいくということも重要ですね。 井上キャスター:こういうニュースで敏感になりすぎることなく、メンタル面も体の面も健康を維持するということが免疫力にも繋がる、そういう捉え方でも良いですか? 寺嶋医師一方で、ストレスというのは免疫を下げますから、ストレスがないことも大事ですし、最近なかなか新型コロナで外出や運動がしにくい環境になっていることも、肥満予防や生活習慣病の予防を難しくさせているというのも事実です。ただこれがやはり1年以上続いて、長い。そういう意味ではこういう中においていかにストレスを解消するか、生活習慣病を予防するか、ということに対して、改めて自分なりの新しい方法を考えていかなくてはいけないということを認識する時期かなと思います。(13日18:13)

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