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“災害級”のコロナ 対応に追われる医療現場は

 新型コロナの感染者が累計で150万人を超えたいま、医療現場は24時間態勢で“災害級”の対応にあたっています。一方で、生活そのものが苦しい人たちも増えていて、私たちの生活に関わる部分に影響が出ています。
■東京曳舟病院から山本キャスターの報告 山本恵里伽キャスター:東京・墨田区にある、東京曳舟病院に来ています。こちらは新型コロナウイルス中等症の患者さんを受け入れているんですが、救急病院でもあるということで、24時間態勢で医師や看護師の皆さんが患者さんの対応を行っています。一方で、その新型コロナウイルスによって生活そのものが苦しくなっている方々が増えているようです。 ■東京・池袋 雨の中、大勢の人が行列を作る  9月1日夜、雨にも関わらず都内の公園には行列ができていました。生活困窮者を支援する団体が無料でおにぎりとパンを配ります。 記者:「こちらにはよく来られる?」 男性(46):「初めて。ネットでたまたま見て」 記者:「今の生活状況は?」 男性(46):「最悪だね」  1年前に、コロナの影響で働いていた接客業の仕事を失ったという46歳の男性。半年前には家も失い、今は路上で生活しているといいます。 記者:「今お仕事は?」 男性(46):「違う業種を考えたけど、この歳じゃなかなか見つかるでもないし」  そして、今回初めて来たという22歳の男性。コロナの影響もあり仕事が減少。1か月ほど前に、住む場所を失ったといいます。 記者:「生活保護を考えることはこれまでありましたか?」 男性(22):「こういう状況に陥って、初めてそういうワードも耳にした。受けられるならぜひ受けたいと思っています」  厚生労働省によりますと今年6月に生活保護が申請された数は、全国で1万9478件。前年同月比、約13%増加しました。長引く新型コロナの影響で雇用情勢が悪化していることなどが原因とみられるとしています。 支援団体「TENOHASI」清野賢司事務局長:「今まで見なかった若い方や、ネットカフェ難民系の方が増えたなという印象があるが、その波がいつまでも収まらず、特に4月を過ぎたあたりから津波になって押し寄せているという感じがします。まだまだここが一番底かどうかはわからない」 ■9月1日 東京と大阪の新規感染者  9月1日の東京の新規感染者は3168人。前の週の同じ曜日(8月25日)と比べて1060人減りました。一方、大阪府では過去最多となる3004人の感染を発表。3000人を超えるのは初めてです。感染状況について厚労省の専門家会議を終えた脇田隆字座長は、首都圏を中心に減少の動きが見られるとしつつも・・・ 厚労省アドバイザリーボード脇田隆字座長:「公衆衛生体制、医療提供体制は全国各地で非常に厳しい状況となっており、災害時の状況に近い局面が継続をしております」 ■救急車が東京曳舟病院に入る 山本キャスター:「救急車両が病院に入ってくるところです。1台の救急車両が来ました」  私たちが取材を始めて、すぐに到着した1台の救急車。患者は20代の男性。発熱があり、新型コロナの疑いがあることから4つの病院に受け入れを断られ、ようやくこの病院に搬送されました。 山本キャスター:「3人の救急隊員によって、ストレッチャーに乗った患者さんが病院の中へと運ばれていきます」  東京都墨田区にある東京曳舟病院。24時間態勢で1日に20から30件、月に680件の救急患者を受け入れることを目標にしています。ところが、第5波に突入した7月は救急搬送数が特に多く、目標の数を上回る755件でした。そのうち12%がコロナ患者だったといいます。 東京曳舟病院 三浦邦久副院長:「我々のところは常に大体12、13床が動いている形です。今日(9月1日)はちょっと少なくなっていて9床ですけど、退院されたらすぐまた入院してくるという形ですね」 ■東京曳舟病院内のナースステーション  ここはコロナ専用病床を一括管理するナースステーションです。ガラス張りの奥がコロナ病床になっていて、ベッドごとにカーテンで仕切られ、医療従事者は防護服を着用、患者に対応します。この病院では中等症までを受け入れていますが、患者が重症化した場合どこの病院も余裕はなく、転院先を見つけることが困難な状況です。重症化させないために、現在一番の頼みの綱は「抗体カクテル療法」だといいます。 三浦副院長:「例えば基礎疾患がある方、肝臓疾患、透析をしている方。そういう方は、どうしても転院調整が中々難しいので、最近できた「抗体カクテル療法」もやって重症化することもなく退院されております」  それでも退院までは一定の時間がかかり、新たな患者の受け入れを断らざるを得ない状況にあるということです。さらに通常の救急患者の受け入れにも影響が出ています。 三浦副院長:「きょうは体調不良とかはないですか?」 ワクチン接種を受ける女性:「ないです」  コロナ患者を増やさない、悪化させない。三浦医師は仲間の医師と4人で休日を返上して、ワクチン接種や宿泊療養の患者の対応にあたっています。 三浦副院長:「最初の頃からこういった災害が来る、本当に医療崩壊が来ると思っていました。なので、この病院はみんなで協力をしていこう。また、地区の先生方とも頑張ってやっていこうというふうに誓ってやっております」 ■東京曳舟病院から再び山本キャスターの報告 山本キャスター:東京曳舟病院の三浦副院長に来て頂きました。今は患者さんの状況が少し落ち着いているということで短い時間対応をしてくださるということです。お忙しい中本当にありがとうございます。改めてなんですけれども、今回取材を受けてくださったのは、9月1日が「防災の日」だからというふうに伺いました。 三浦副院長:現在、新型コロナもすごく流行していて、災害級になっています。第5波になってから我々の病院は常に満床になっており、また、重症化する方も多くなっています。そういう方は通常だったら高次の医療機関に搬送するんですけど、それが転院調整がとてもできない。自分たちのところで完結しなくてはならない事例も発生しております。 山本キャスター:災害級の状態になってしまっていると。 三浦副院長:つまり通常受けられる当たり前の医療が今ちょっと展開しにくくなってるという状況なんですね。 山本キャスター:通常の医療にはどういう影響が出ているんでしょうか? 三浦副院長:救急搬送されてくる方、入院される方、全例コロナの検査をして、それから治療にあたっていくということなんですね。それをまた支えている我々のスタッフですけれど、ずっとこの状態が続いていますので結構疲弊している。またメンタル的にも厳しい状況が続いているということなんですね。 山本キャスター:医療スタッフの皆さんもギリギリの状態でやってらっしゃるわけですね。 三浦副院長:ちょっとかなりギリギリの状態でまた終わりのない戦いですので、そこのところが結構みんな疲弊していることは事実ですね。 山本キャスター:厳しい状況が続いているというわけです。スタジオからどうぞ。 小川彩佳キャスター:現場の危機感というのがひしと伝わってきますが、今のこの現状を変えるには何が必要だと現場でお感じになっていますか。 三浦副院長:緊急事態宣言は第1波に比べて、現在人流を止めることができていないと思います。その理由としては見えない災害が起きているということです。通常災害というのは建物が崩壊して、皆さんが本当に困っているということが認識できる。ただ、新型コロナウイルスに関しては全く目に見えない。それが一般の方に目に見えない災害なので、危機感は感じることができない。なので我々はこの災害級の状態にできることは全部やっていこうと思っています。ぜひとも皆様にも人流を止めるご協力をいただきたいと思います。 山本キャスター:強いお言葉ありがとうございます。本当にお忙しい中ありがとうございました。(01日23:26)

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