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【解説】抗体が徐々に減少?死亡リスク大幅減?ワクチン今分かっていること

 新型コロナの抗体は、全く出来ない人や長く保持することが出来ない人がいることが分かってきました。また接種完了後、抗体が徐々に減っていくことも。その一方で、死亡リスクに対しては大幅に低減出来るとされています。接種については、打ちたくても予約が取れない人、そもそも慎重な人など様々ですが、今のワクチンについて専門家に聞きました。
良原アナウンサー: ワクチン接種を2回完了した方157人の抗体量を倉持先生が調査しました。その結果、3つのことがわかったといいます。抗体を長く保持することができる人がいること、抗体が全くできない人がいること、そして抗体が徐々に減少していくということです。今後この結果をもとに、3回目を含めたワクチン接種では、抗体の量を基準に接種の優先順位を決めていくべきという見解を倉持先生は示されています。 ホランキャスター: 倉持さん、この差は体質ということなんでしょうか。 倉持医師: いろんなデータを見ていますと、例えば基礎疾患があって、免疫抑制剤などを飲んでいる方は出来にくかったり。あるいは飲酒量であったり、体重、肥満が強い方はできにくかったり、性別だったり、いろいろな要素があるので、まずきちんとこういうデータを集めるということが大切になってくると思いますね。 ホランキャスター: そしてその上で、3回目の接種を行うのであれば、抗体の量が少ない人を優先的に、という優先順位をつけていくべきという考えでよろしいですか。 倉持医師: 当初は「ワクチンを2回打てば、全てことが解決する」というそんな雰囲気があったと思うんですが、実際には諸外国でも感染の再拡大が認められていますので、こういった方法で数少ないワクチンを有効に活用していくべきだと思いますね。 井上キャスター: 素人なのでわからないところを教えていただきたいんですけど、抗体量にこれだけばらつきがあるというのは、新型コロナウイルス特有のものなのか、はたまた他のウイルスでもある程度ばらつきが出るのか、どういうものなんですか。 倉持医師: これは病原体とかワクチンの種類によって、例えば麻疹とか風疹のワクチン、あるいはB型肝炎などは比較的抗体がつきやすいです。一方、インフルエンザのように抗体がついても株が当たってないと効かないというようなこともありますから、やはりウイルス1個1個に丁寧な検証とモニタリングが必要だと思いますね。 井上キャスター: ある程度コロナウイルス特有と見ていいんですね、こういう特徴が。 倉持医師: そうですね、今までに想定していなかったタイプであることは間違いないです。ですから手強いということだと思います。 良原アナウンサー: ここからは国内のワクチンの普及についてです。ワクチン接種率、現在1回目を終えている方が52.9%、2回目まで接種が完了している方が41.3%という割合です。菅総理は8月17日の会見で、9月末には約6割が接種を完了させる見通しだと示しました。さらに「10月の頭ごろまでに、全ての対象者の8割に行き届くワクチンを配分する」とその供給についても言及しています。 東京都内の感染状況を見ていきましょう。感染拡大が続いています。8月24日は新たな陽性者4220人が発表されています。そして東京都の死者数のグラフを見てみますと、感染は拡大していますが、死者数は5月、6月に比べると減っていることがわかるんです。8月24日は9人が確認されています。 そしてこの亡くなった方の中でワクチンを接種していた方、接種していない方の割合というのも出されています。7月23日から8月23日まで、約1か月間で亡くなった方108人のうち、1回目の接種が終わっていた方が11人、10.2%。2回目まで接種が完了していた方が3人、2.8%でした。そしてワクチンの接種をしていなかった方が81人、75%を占めているんです。 ホランキャスター: 倉持さん、75%の方がワクチンを1回も接種せずに亡くなってしまって、残りの25%の方は不明あるいは接種を行っていて亡くなってしまった方ということなんですけれども、この比率というのはワクチンの効果というふうに見るべきなんでしょうか。 倉持医師: ワクチン自体の重症化や死亡率を下げる効果というのは明らかにあると思うんですね。接種したのに亡くなってしまった方については、1回ではデルタ株には残念ながらあまり効果がありません。抗体が十分にできませんので。2回打った方も打った翌日とか3日後とかですと抗体ができていない可能性がありますので、やはりそういったことが現れているんだと思うんですね。 井上キャスター: どうしても2回接種完了者が感染したということがニュースになりがちですので、有効性がなかなか伝えられないというところもありますが、有効性はあるということ。あとは3回目の接種などに向けて、若者の接種に向けて、どうアプローチをしていくのか。倉持先生は何かアイデアはございますか。各国やっぱり7割ぐらいで接種率が止まってしまうという、そこをどう打破していくのか。 倉持医師: まず今は、打ちたくても打てない人たちに早急にワクチン接種を進めていくということと、それからワクチンの抗体価がきちんと落ちないかどうかそういったモニタリングをする仕組みを国や自治体でつくること、そして正しい情報を若者などにいろいろな手段で広げるという、その3つが必要だと思います。 井上キャスター: あとは接種に後ろ向きな方がよくおっしゃるのが、接種後に亡くなった方が一定数いると。でもこの因果関係を調べるのってとても難しくて、なかなかその結果が出てこない。テレビでもそういった情報を出してくれないから「良い、良い」と言われることが逆に疑心暗鬼になるんだ。そういう声も聞くことがあるんですけど、そのあたりをどう捉えていらっしゃいますか。 倉持医師: そういった情報もきちんとデータとして出して、そして因果関係があったのか、なさそうなのかということを丁寧に説明していくべきだと思いますね。 井上キャスター: 調査を続けていくということになるわけですね。(24日19:00)

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