阿部ひろみ

Vol.9 <6月1日>
みなさまこんにちは、いかがお過ごしですか?
 今年ももう半年。月日が流れる早さというのは、年齢に相対するというけれど、確かに年々早くなっていくような感じがします。
 十数年前、漕艇の実業団選手だった頃、6月といえば「シーズン本番」といった感じで、日本各地へ遠征に行って、全国レベルの大会に出場したりしていました。その頃は、毎日が長くてつらくて暑くて、げっそりだった。なぜか必ず「あしたやめてやる。」と心に思って、毎日繰り返し厳しい練習に励んでいた。「あしたやめてやる。」の意思はきっと、苦しいから「やめたい」けれどボートを漕ぐことは「好き」なので、やっぱりやめたくないから「あした」と思っていたのだろうと思う。やがて、自分の意志と関係なく「ドクターストップ」を告げられた時は、すごくショックだったのをはっきり覚えている。
「苦しくても生涯できる事を目標に生きたい。」と思って絵描きになりました。


赤坂町 
  「サッポロワイン岡山ワイナリー」
 こんなにおいしいブドウができるんだものと、私の鼓動は高鳴っていた。そんなに飲めるほうではないけれど、飲み口が軽やかで、美味しかった。新酒の「梅ワイン」は、もっと飲みやすく、見た目もかわいい色合いでお気に入りです。
   
鏡野町 「りとるびーはうす」
 蜂蜜っていうと、「くまのぷーさん」に出てくるとろーっとしている黄色なのを思い出す。ほかにも、小さい頃に見た絵本のあちこちに、おいしそうにとろけて描かれている。蜂蜜って、しあわせを表している色だと思う。
   
川上町 「藍坪の滝」
 今にも熊が現れそうな細い山道を通って、やっとたどり着いた滝は、幻想的に蒼く澄んでいた。上から流れ落ちる滝とは違い、物静かで神秘的な雰囲気を漂わせ、長く見ていると、深い底へ引きずられそうになってしまう。
   
新見市 「三尾寺」
 三尾寺の杉並木が見たくて、だけどなかなか見つからなくて、同じ道を行ったり来たり、あっちで人に聞き、こっちで聞き、やっと見つけられた時は、大げさに泣いて喜んでしまった。杉並木は、静かに森を見守っているように見えた。
   
船穂町 「一の口水門」
 水門の建物に魅せられて、描いてみた。自分が思っている以上に、ここを気に入っていることが、完成した絵を見てわかった。古そうな、けれどそこにしっかり時代を超えて存在している。そんな建物を見たら、もう描くしかない。
   
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