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伸興電線

尾﨑勝 社長

2019年10月7日(月)

——夢を一言でお聞かせください。

尾﨑:電線メーカーとして100年企業を目指します。

——香川県さぬき市で電線・ケーブルの製造販売を手がけておられますが、具体的にはどんなものを作っていらっしゃいますか。

尾﨑:私たちが製造しているのは、通信用ケーブルやLANケーブルなど、主に「弱電線」と言われる分野の電線です。電気的な信号を伝える用途で、通信、映像、制御といった分野に利用されています。放送関係や電話など通信関係のもの、また火災報知器などに関する設備の制御など、さまざまな分野で多岐にわたって使われる電線を製造しています。生活する中で、安心・安全を感じていただけるようなインフラを整えることが、我々の電線の役割だと考えています。

——通信機器をめぐる環境は、ここ数十年で大きく変わりましたね。

尾﨑:当社の60年という歴史を振り返ると、通信だけをとってみても、何度もインフラが大きく変わってきました。その都度、適宜その時代に応じた電線を提供することで、努力しながら今日に至っています。
昔の黒電話で話していた時代から、時代の流れの中で電話機がコードレスになり、昨今では携帯電話、スマートフォンへと変わり、ますます情報の重要性が高まってきています。我々の製品にも、電気信号をノイズから守り、より正確に電気信号が伝わる性質が求められるようになっています。

——これからはどんな時代になると考えておられますか。

尾﨑:また新たな通信規格が登場し、「これからの時代は5Gだ」などと言われています。20年前はこれほどスマートフォンが普及するなどとはまったく予想もできなかった時代でしたが、今から20年後に通信の制御の分野ではどういうものが求められるかと考えると、ますます高度な技術が要求されてくると想像できます。その都度、技術革新を伴いながら、新たな需要に見合った製品を提供し続ける努力をしなければならないと考えています。

——「100年企業」を目指されるということでしたが、そのためにはどんなことが大事だとお考えでしょうか。

尾﨑:40~50年後の将来の日本は、少子高齢化のために大幅に人口が減少すると思われます。それに応じて、マーケットもどんどん縮小していきます。そこで生き残っていく企業であるためには、マーケットから厳しい選択を求められる場面も多くなるでしょう。ですから、今以上にクオリティを高め、さらにはデリバリーも含めた「QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)」を高めることが、企業として100年存続できる土台になっていくだろうと思っています。

——拠点の全国展開についてお聞かせください。

尾﨑:2008年に埼玉県に物流センターを構え、以後、大阪、福岡と広げてきました。さらに2020年4月には、岐阜県多治見市に新たな倉庫を構えて、倉庫4拠点態勢でのデリバリーがスタートします。これによって、北海道から沖縄まで全国のお客様に迅速に製品をお届けできる体制が整うことになります。
昨今では、「QCD」のうちのデリバリー(Delivery)が重要なキーワードになってきています。製品を作っても、ユーザーであるお客様にお届けできなければ、結局はモノがないのと同じ事になってしまいます。ものづくりをして、エンドユーザーとして利用されるお客様に、必要なときに必要な分だけきちんとお届けすることによって、初めてビジネスが完結するものだと考えています。
30~40年前と比べると、お客様へのデリバリーのリードタイム(発注から納品に至るまでの時間)は間違いなく短くなってきています。かつては2~3日かかってもよかったものが、今や翌日の午前中に、あるいは午前中に注文を受けたものを当日の午後に納めなければならないなど、スピードのある対応が求められているのです。そこで、ここ香川から全国のお客様に対応するために、消費地に近い拠点に製品をストックしておき、各地域でデリバリーするという仕組みを築いてきました。
東京、名古屋、大阪、福岡と、これで我々の物流体制が整いますので、その拠点をさらに活用して、全国の皆様にお使いいただけるように努めたいと思っています。

——現在の目標は。

尾﨑:目標は「100年100億企業」ですが、現在、グループ全体で売上80億円を超えていて、今年60周年を迎えます。これからの40年で売上20億円アップでは少し物足りないとも感じています。整備された流通網を活用しながら、マーケットから選択していただけるメーカーとして成長し、ぜひ5年後くらいには売上100億円の目標を達成したいと考えています。

——これからはどんな企業でありたいとお考えでしょうか。

尾﨑:我が社は香川県さぬき市に立地してますが、これからの人口減少の中で、この地域がどれぐらい元気に盛り上がることができるかが大きなテーマになっています。ご縁があってこの地に会社を構えさせていただいているわけですから、我々のできる範囲で地域に貢献し、ご恩返しができるように、継続して頑張っていきたいと思っています。

尾﨑 勝(おざき まさる)

伸興電線株式会社 代表取締役社長

昭和34(1959)年香川県さぬき市生まれ。昭和57(1982)年追手門学院大学経済学部卒業。同年伸興電線㈱入社。平成16(2004)年伸興電線㈱代表取締役社長就任。平成17(2005)年公益財団法人エレキテル尾﨑財団理事長就任。平成19(2007)年公益財団法人平賀源内先生顕彰会会長就任。平成28(2016)年さぬき市商工会会長就任。平成29(2017)年さぬき市観光協会会長就任。趣味はゴルフ。