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地域の未来が見えてくるインタビュー番組。
会社づくり、人づくり、そして街づくり…岡山・香川のトップの夢、経営ビジョンに迫ります。

前回の放送

ナカシマプロペラ

中島基善 社長

2017年8月14日(月)

——夢をお聞かせください。

中島:世界で活躍できる中堅企業を目指します。30年前、ヨーロッパをいろいろと見て回りました。その中で、ドイツの田舎にありながら世界で活躍している会社がたくさんあって、我々も岡山という地方にいながら世界で活躍できる企業を目指そうと考えました。

——船舶用のプロペラをつくり続けて90年以上。ナカシマプロペラは、世界で初めて、軽くて丈夫なカーボンファイバーを使った一般商船向けのプロペラを開発し、注目されています。特色、強みをお聞かせ下さい。

中島:船舶用のプロペラというものは一つとして同じ物がない、「一品受注生産」なんです。最適な物を設計・製作して、お客様に提供するというのが、拠って立つところではないかと思っています。

——「一品受注生産」では、非常に高い技術力、設計力が求められるのでしょうね。

中島:以前は造船所で設計した図面をいただいて、我々はモノをつくるだけだったのですが、あるとき、我々もどんどん提案していくことが大事だと思いました。船体とエンジンとプロペラの3つがマッチングして最適なモノができるということから、プロペラの設計というものが非常に需要になります。我々としては、そこを高めていこうと思ったわけです。

——どういうプロペラが求められているのでしょうか。

中島:燃費が大きな問題になっていますので、環境に優しいとか低燃費、できるだけプロペラの効率をよくして、振動が少なく、音が少ないといったものが望まれています。そうした中から、CFRP(carbon fiber reinforced plastic=炭素繊維強化プラスチック。宇宙航空材料などに使用される素材)を使った取り組みを始めました。銅に比べて軽いということは、やはり環境に優しく低燃費につながります。

——実際に使われた方からの声は、どんなふうに届いていますか。

中島:燃費が良くなったというのと、振動が非常に少ないということ。今までは船の中であまり話ができなかったものが、CFRPによって音が静かになって、話がちゃんとできるようになったとか、睡眠が取りやすくなったということをお客さんから聞いて、本当に良かったと思っています。

——海外にも拠点を設けられていますが、世界に出ても十分勝てると?

中島:おかげさまで国内では80%ぐらいのシェアですので、これから伸ばして行くには世界にどんどん出ていくしかありません。今のところ、世界でのシェアは25~30%ぐらいになっていますので、これをもっと伸ばしていきたいと思っています。

——プロペラの製造で培われた技術を医療の分野でも利用されています。

中島:金属を磨くというプロペラ製作の技能が使えるのではないか、また三次元の翼面の自由曲面を設計できるという技術が生かせるのではないかということで参入したわけです。人工関節は認可の関係でサイズがある程度決まっているのですが、基本的にはものづくり、オーダーメイド(一品受注生産)で、それぞれの人に合ったものを提供していくという我々の使命に合致しています。

——今後の方針をお聞かせ下さい。

中島:昨年、90周年を迎えたのですが、次の100周年に向かって、我々は「We Go Beyond」というスローガンを掲げています。誰もできないことをやる、誰もしないことをやる、人より一歩先を行く——このことが重要ではないかと思っています。
岡山をベースに、世界に発信できるような形でイノベーティブな会社になっていければと思っています。

中島基善(なかしま・もとよし)

ナカシマプロペラ株式会社代表取締役社長

昭和22(1947)年岡山市生まれ。昭和46(1971)年早稲田大学政経学部経済学科卒業。同年佐野安船渠株式会社入社。同49(1974)年ナカシマプロペラ株式会社入社。常務取締役、専務取締役を経て、平成8(1996)年に代表取締役社長に就任。平成29年6月まで一般社団法人日本船用工業会会長(現在は理事)を務めたほか、社団法人岡山経済同友会代表幹事などを歴任し、現在は岡山商工会議所副会頭。