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地域の未来が見えてくるインタビュー番組。
会社づくり、人づくり、そして街づくり…岡山・香川のトップの夢、経営ビジョンに迫ります。

前回の放送

佐田建美

佐田時信 社長

2017年3月27日(月)

——夢をお聞かせ下さい。

佐田:わくわくするような革新性のある製品を提供することです。

——木製の建具やシステム家具の製造や施工を手掛ける真庭市の株式会社佐田建美。真庭の木材を使い、職人が手作業で仕上げる「真庭組子」にも力を入れています。

佐田:「組子」というのは、日本では聖徳太子の時代から、神社やお寺、住宅で随分使われてきました。伝統的なものを装飾品として、あるいは家具の形に取り込み、変化を持たせながら「美術組子」として見ていただけるものの総称を、「真庭組子」としてやり始めております。

——真庭の木材、中国山地の木材にはどんな魅力がありますか。

佐田:「真庭」と言えば木材として全国的に有名です。ただそれは素材的なものなんです。どういったものができるのかというところまで、皆さんはお分かりになっていらっしゃらない。素晴しい山があって、原木の市場があり、製材所もたくさんあります。製品を販売する市場もあります。ところが、そこから全国に素材として出ていきますので、それがどういう形になるのかわかりません。本当に上質な物と一般的なものと、その材料の分け方とかは分かりません。
私どもとしては、このような複雑なものを作るには、上質な部分を特に見ていただきたいと思っています。だからこそ、真庭の木材の中でも最高のものを選りすぐっています。

——その木材の産地・真庭から、こうした製品を発信していくことに、どんな役割や意味を感じていらっしゃいますか。

佐田:真庭の最高の木材、良質の木材を素晴しい形で皆さんに見てもらうためには、こういった組子が一番分かりやすいかなと思います。全国建具展示会の作品として出す際には、必ず「真庭」という名前を付けて出しています。全国的に、あるいは世界でも有名になった「木製スーパーカー真庭」は、イギリスからも取材に来られるなど大変に反響を呼びました。その度に「真庭」という言葉が躍ってくれるのです。自分で楽しみながらできる「町おこし」。これは何も犠牲にしていませんから、とにかく自分がうれしくて楽しくやっていることなのです。こういったことが自分なりの町おこしボランティアだと考えて、一生懸命にやっています。

——その他にも様々なアイデアが、形になったユニークな商品がたくさんありますね。

佐田:「企業」というのは、企てると書きます。「企てる」ということは、自分たちが考えて、そして提案できること、それがまさに企業ではないかと思っています。私が大事にしているのは、お客さまから聞くニーズではなくて、私たちが提案するニーズです。お客さまが求められているものよりも先に私たちが提案して、これをニーズとして出していくのです。先取りするニーズということを一番中心に考えています。

——建具組合連合会の理事長に就任されて、今はどのようなお気持ちで仕事に取り組んでいらっしゃいますか。

佐田:理事長に選任され、「木製建具施工士」の一級、二級の認定を国交省にお願いしました。昨年のうちに、第一回の木製建具施工士一級・二級の認定講習会を開きました。賛否両論はあると思うのですが、少しでも喜んでもらえる人がいるということは、何もしなかったより、その分だけは一歩前に進めたのではないかということです。

——東京五輪に向け、日本を訪れる多くの海外からの方々に、建具とか組子を通じて、どんなふうに感じて欲しいと期待されますか。

佐田:日本という国を知ってもらうのには、その国ならではの物というのが一番いいと思うのです。本当に純粋にその国の物、それがその国で根付いた歴史のある、そして意味のある物ではないかと思うのです。建築で言いますと、五重塔など千年以上の時を経ても、今なおしっかりとした建物としてある。これがやはり日本独自のものだと思うのです。建具を通じて、そういうものをしっかり世界にアピールしていきたいなと考えています。

佐田時信(さだ・ときのぶ)

株式会社佐田建美代表取締役社長。

昭和26(1951)年岡山県真庭市生まれ。職業訓練大学校建具科を経て村松木工所へ。昭和50(1975)年に佐田建美を創業し、59(1984)年3月に株式会社設立、代表取締役社長に。一般社団法人全国建具組合連合会理事長、岡山県建具・家具技能士検定委員、「森の名手・名人」認定(2009年)。会社経営の傍ら岸田敏志のふるさとギャラリー開設、ホテルオークラ名誉顧問、故橋本保雄氏のおもいでギャラリー開設などを手がける。座右の銘は「小才は縁に気づかず、中才は縁を活かさず、大才は袖すれ合う他生の縁をも生かす」