2月27日(水)午後8:00~8:57

宝の島のイノシシ騒動
生息域拡大の背景を追う

瀬戸内の島々ではこれまで姿を見ることがなかったイノシシの出没が相次いでいる。
貪欲なイノシシは、冬場も人里に現れ、みかんの木の根や麦の新芽などを食い荒らしている。
かつて石材業で栄えた笠岡諸島の北木島にも5年前イノシシが海を渡ってきたという。
80歳の山本さん夫婦は「宝の島が今はイノシシの島になった」と嘆く。体力と金銭面の制約から防護柵を設置することができず、畑を手放すことも考えている。
イノシシの檻を設置するなど行政も対策に動き出した。住民の中に狩猟免許保持者がいないなど課題が立ちはだかり、イノシシ増加のスピードに追い付いていない。
設置した檻も餌付け用の芋がとられるばかりで賢いイノシシはなかなか捕まらない。知恵比べが続いている。
高齢化が進む島にイノシシと対峙する力はないと肩を落とす住民。そこへ1人の男性が決意を胸に戻ってきた。
イノシシ騒動に揺れる島と、生息域拡大の背景を追った。