1月9日(水)午後8:00~8:57

6か月目の決断~岐路に立つ被災地~

ふるさとを離れなければならない…頬を涙がつたった。
男性は80年近く過ごしてきた倉敷市真備町を離れ、娘がいる博多で暮らすことを決めたのだった。西日本豪雨で、自宅は1階の天井付近まで浸水。家族や資金のことを考え、再建は断念した。
78歳の森脇敏さんは話す「7月の豪雨で人生が狂った」と…。
真備町では、被災後に人口が1割近く減った。
一方、「再び町で生活を」と考えている人も少なくない。
しかし、堤防が決壊した川の周辺の人たちは、改修工事の影響で立ち退きを求められていて、先行きは不安定な状態だ。
改修工事が終わる予定の5年後に、果たして家を建てられるのかと話す人もいる。
また、みなし仮設住宅で家族と暮らす20歳の大学生は、被災のショックから就職活動への準備が進んでいない状況だ。
「このままでは、取り残されてしまう・・・」
不安を抱えながらも、前向きに活動をしていくことを決めた。
真備町から離れ、バラバラになって暮らす人たちは再び、町に戻ってくるのか。
地域のコミュニティーは再生するのか。
被災者の6か月間の葛藤と苦悩をカメラが追った。

写真=ふるさとへの思いがあふれ涙する森脇敏(78)さん