11月30日(水)午後8:56~9:54

なぜ事故は起きたのか~観音寺トレーラー事故の背景~

10月8日、楽しい秋祭りに衝撃が走った。観音寺市で太鼓台に大型トレーラーが突っ込み、40人が死傷した事故。事故を起こした運転手は、事故直前に居眠り運転をしていたと見られている。
全国で相次ぐトラック・トレーラーの事故、その原因の一つは過労状態での運転だ。背景にあると指摘されているのは、運送業界の窮状。愛知県で出会ったあるドライバーは、国の基準を超える長時間運転者だ。高速料金の支給には上限があり、大部分は一般道を走り労働時間を延長することで仕事を成り立たせている。
経営者も苦しい経営と、ドライバーの労働環境の狭間で頭を抱えている。取材を進めると業界のいびつな構造が見えてきた。国の規制緩和に加え、水屋と呼ばれる中間業者などの出現で業界は過当競争に陥り、中には7次・8次まであるという下請け構造が生まれている。
国内輸送の9割を占め、私たちの生活を支えているトラック輸送に、崩壊の足音が近づいている。どうすれば運送業者による事故は無くなるのか?業界の深層に迫る。