10月15日(水) よる8:00~8:54

豪雨と土砂災害~岡山・香川の備えは?~

山にとってそれは、たまった土砂を洗い落としたに過ぎなかったのかもしれない。
しかし、ふもとには人びとの生活があった…。
今年8月20日の未明、広島市で起こった大規模土砂災害は死者74人、家屋の全・半壊合わせて255件、未曽有の大惨事だった。豊後水道から積乱雲が発生し続け広島市上空に線状降水帯を形成した。3時間雨量は230ミリにも達した。
「地球温暖化の影響で、ゲリラ豪雨は今後も増え続ける」と気象庁の調査官は言う。
激しい雨により、山にたまった「まさ土」は軟化し一気にふもとへと流れ落ちた。
広島大学の海堀正博教授は言う、「雨の少ない岡山香川こそ、さらに危険だ」と。
雨が少ないがゆえに花崗岩が風化してできる「まさ土」が、山に留まったままだというのである。豪雨が増え行く今、岡山香川でも土砂災害は「迫りくる危機」となった。
岡山香川の土砂災害対策は万全なのか…。
土砂災害警戒区域に指定された倉敷市のとある地区、沢のふもとに民家が続く。
「これまで経験したことないし、警戒区域といわれてもピンとこない」と住民。
沢を上れば60年前に建設された砂防ダムはあるが、土砂でいっぱいだ。
一方、平成16年の台風で土砂災害を経験した玉野市の宇野地区ではセンサーを使った山の監視が10年間続けられている。
「地域を見張るという習慣が、10年かけて住民に根付いた。これが一番の収穫」と岡山理大の西村敬一特任教授は言う。土砂災害、それは他人事ではない。
土砂災害への心構えとは、生死を分けた行動とは…。広島市の災害現場、および平成16年の台風で土砂災害を経験した岡山香川の各地を取材し、ヒントを探った。


写真=広島の土砂災害現場


※10月15日(水)のメッセージの放送時間は、8:00~8:54に変更になります。