「東京からパリに帰って来る」

3週間の日本の旅行から帰って、早速翌朝は「高松宮殿下記念世界文化賞」の2019年度受賞者発表である。フランスの当時のシラク首相の提案で、日本美術協会が創立100周年記念行事として1988年に発足させ、もう31年目で大分世界にも知られてきた。世界の絵画、彫刻、建築、音楽、演劇各界の功労者に、各人1500万円の賞金と賞状が、正式に日本の皇居で天皇の手から渡されるもので、以来、日本が発信する文化のノーベル賞と注目、自慢される賞である。審査員も各国にコミッティがあって、日、仏、英、独、伊、米などの首相経験者、世界的富豪があたり、設立以来161名の世界の著名人に渡されている。毎年の授賞発表は各地巡回するが、創設提案者シラク大統領の関係で、パリで受賞発表されることが多い。今年はフランス学士院のアカデミーフランセーズや芸術院などの会議の行われる、荘重な18世紀以来の会議室での発表であった。日本人では演劇・映画部門で坂東玉三郎さんの授賞が発表された。

2019年9月18日 赤木 曠児郎

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