「11月の近頃」

11月はまた別に、「パリ写真月間」も始まっている。この習慣が作られて22年目になるが、写真術は1826年にフランス人ニエプスが原理を発明、1837年にルイ・ダゲールという絵描きが実用化に成功した技術なので、写真にはパリでは力が入る。グランパレが会場の「パリフォト」というタイトルのフェアーは、8日から11日までの4日間開かれたが、38ヵ国から196の写真家、フォト画廊、出版社などがブースを出展して、この月の柱になっている。市内の美術館、画廊などの催しも、写真関係がマスコミ話題の中心になり、純粋な美術展などは影の薄い月である。現代では写真もアートなので、普通の美術展にも写真技術の応用が盛んに取り入れられていて、話題になりやすく、主流のようになり、昔ながらに筆で描いた絵では当たり前扱いで、この月は目もくれられていないような気がする。

11月始めには、「チョコレート見本市」も人気で、沢山のパリジャンを集める大行事になったが、設立24年目である。こちらの人はお酒も好きだが、甘いものも同時に大好きなのである。2017年の一年で約38万トンのチョコレートがフランスのチョコレート店で売られ、レストランなどのデザート、ケーキなどに約18万トン消費されている。年間フランス人一人当たり7.3キロのチョコレートを食べている計算になり、この数字はベルギー、スイス、イギリスに続いて4番目だそうで、ヨーロッパの他の国では、もっと食べていることになる。とにかく、パリの街を歩いても、眼鏡屋新開店につづいて、チョコレート専門店が沢山目につくのも近年で、パン屋や菓子屋さんの一角に、チョコレートも並んでいたようなのが、昔だったのだが。

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