岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2018年11月12日

「11月の近頃」

10日ほど前まで、半袖で済むくらいの暑さで驚いたが、急に冷え込み始めて、もう暖房がなくては暮せない。

11月11日は「第一次大戦の戦勝記念日」、それも今年が終戦百周年目になるのでフランス大統領は大きなイベントを企画、国家祭典を開いた。世界の首脳をパリに招いて、エリゼ大統領官邸に集合、移動してパリの凱旋門の下の無名戦士の墓の前に、世界72ヵ国の首脳が並んだが、トランプとプーチン、それにメルケル、国際大名優が揃った舞台なんて、さすがパリでなければ見られない光景と目が離せない。それからまた大統領官邸にもどって首脳一同は昼食、同行夫人は大統領夫人が主催でベルサイユ宮殿で食事、大臣クラス参加国は外務省で外務大臣が、と別れる。食後午後、またラ・ヴィレット会場に移動して「平和のフォーラム」という宣言がされる。こういう日は、外に出ないで静かにテレビで実況中継をみているのに限る。大統領官邸に集めて、バスなんか乗ったこともないような人たちを、大型バスに詰め込んで市内を移動させ、歩かせるのだから、どうやって捌いて行くのか、一日中飽きない世界外交の見物(みもの)なのであった。

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