岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2018年4月11日

「2018年のある週」

いろいろな出来事が多い。美術展、音楽会、演劇、舞踏公演、映画祭、講演会、討論会、記者会見、招かれるままにホイホイ出掛けていては、自分の仕事の時間がなくなって、0になってしまうのがパリという都会である。

3月中旬の過ごしたある週の記録を取りだしてみると、ジャーナリストとしてパリのことを伝えるのだから、ちょっと精勤に皆さまのお招きにお答えしてみたら、こんな具合になってしまった。

春のシーズンで、「庭園フェスティバル」が各地で始まるので、フランス庭園協会の会長さんが出席しての記者会見。先年お世話になったロアール河のシャトーの城主も、わざわざパリまで出てきて話すという情報で、小さな画廊で開かれた記者会見だけれど、パリ外国人特派員協会の一同と出席した。

翌日は、フランス知的労働者連盟というのが1920年からあって、労働省の認可の非営利団体で続いている大変立派な名前の会で、例会があった。この分会に国際部会と言うのがあり、頼まれて長く副会長に名前を貸していたが、何もしたことのないお恥ずかしい次第である。こちらの人たちはわれがちに発言したがるから、男は黙って判断している日本人の習慣だし、語学力がとても太刀打ちできないので、黙ってしまう。同じ夜、8時からパリ日本文化会館で岩井秀人「ヒッキー・ソトニデテミターノ」を見る。まあいろいろなお芝居があるもので、みなさん一所懸命に楽しそう、日本と言う国は幸せと思う。フランス語の字幕がテロップで上に流れる。それでも耳の少し遠くなったわたくしには、良く分からない。笑いが起こっても、よく聞こえない。もう歳なのである。

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