「パリの岡山情報」

パリの日本文化会館のホールでは自治省の外郭団体、自治体国際化協会パリ事務所が柱になって、三越伊勢丹のブティックと共同、2週間、日本各地17カ所の都道府県市からの特産品伝統工芸製品さを集めて展示している。年に何回か開かれるが、ここの終了後は日本人街の、経産省バック、「伝産」ブティックに置かれることになるらしい。わが岡山県からは、真庭市の栗の木を刳り抜いて作った漆器椀が出品されていた。向かいの香川は、精巧な打菓子の木型がだされている。伝統工芸品というのは、いずれも職人さんの心意気に溢れ、説明されるとますます感心する見事なものばかりなのであるが、西欧の生活様式の何処に入り込むか、使い道がないので無料で貰っても有難迷惑、座敷のゴミになる心配を何時も感じる。教会の年末バザーなんぞに、とんでもない立派な物が捨て値で出されていて驚かされることが多い。国が変って輸出ビジネスとなるのは、出す方も相手の文化を知って工夫しなければ、努力や立派・見事だけでは駄目で、ほんの一握りの機会の賭けである。しかしやってみなければ、何が受けるかチャンスもわからない。昨日は、MEDEF(フランス企業運動=フランス産業連盟)のパリ圏支部のセミナーに招かれる機会があって、覗いて見た。テーマはこちらも「海外進出のチャンスを」である。会長始め15人ばかりの講師が招かれて、実務講演討論であった。コンサルタント、銀行、税関、政府応援機関、企業、いろいろな分野の人が手取り足取りの知識をのべる。フランスはもう15年来貿易赤字が続き、4%の企業しか輸出をしていない、隣国のドイツもイタリアも、貿易黒字なのに、フランスだけ輸入超。ドイツは会社のサイズは半分なのに、輸出はフランスの倍である。どのように改善すべきかの、中小企業経営者向けハッパ掛けの会であった。日本ならジェトロや経団連のやるようなことの逆のフランス版、こちらでも同じようなことを言っていると興味深く、輸出助成金は何処で扱うとか、いろいろな機関があるのに感心した。

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