「2017、年末のこの頃」

 パリの日本文化会館がオープンして、20周年になる。その昔フランスの日本年、日本のフランス年の交換で賑わった中の、目玉行事だった。今から10年前の2008年には、徳川幕府の末期に日仏修好通商条約というのが結ばれて150周年とかの記念行事で、民間から募って両国の交換催しのプログラムが目白押しで賑わった年があった。来年はジャポニスムの行事の年とかで、パリでいろいろな日本文化関連の行事が開かれるのだが、今回は官製で、オランド前大統領と安倍首相との約束で開かれるもの、前回の例に倣って民間からいろいろあるのかと、問い合せが沢山あるのだが、例の安倍流で国民一般は塀の外らしい。第一陣に「ジャポニスムの夜明け」という企画展がパリ日本文化会館で始まって、オランダ人と中国人による長崎出島の交流の資料から、幕末の交流の資料が展示されている。当時に撮影された、幕府派遣の大使一行のサムライたちのポートレート写真は感動もので、来年の1月20日まで見られる。南条範夫に「幕府パリで戦う」という小説があるが、時代の理解におすすめである。

2017年12月10日 赤木 曠児郎

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