「ロボット見本市」

 このロボット見本市は、2011年にカトリーヌ・シモン(現会長)というコミュニケーション業、腕利き女性の発案で、リヨン市で誕生して5回開かれ、大成功。話題となりパリには昨年から登場で、2回目だという。19ヵ国から参加、大小170社のスタンドが並んで、1万人のバイヤーが予想される。2棟使われていて、1棟は専門家の講演とか、会議に充てられ、プログラムを持っている。
10数年前になるが、フランスではロボット関連の企業は、旧時計産業の集散地、スイス国境のフランシュコンテ地方に多く、ブザンソン市を中心に県庁や、日本からも同業の中所企業が集まっている大阪を中心の一帯と、地元大学が加わって国際交換、交流がされ、集まって見本市も開いていると聞かされていたのだが、今はあまり言う人も無い。同地方の大都市リヨン市に移り、パリに登場となったのかと理解する。とにかく各業界の専門同業組合と、見本市の盛んなのがヨーロッパで、同業組合の市や、教会の巡回定期市には千年に及ぶ歴史があるのだから、こちらの人の体質に沁み込んでいるので、同業の集まるタイミングを外すと商売もどうにもならないのである。よく日本の企業は、他所と一緒では権威にかかわると、ソニー、セイコーなど、会社だけで独自でやって見せたバブルの時代もあったが、効果はあまりないし、業界定期市の方が有利と、最近は理解されたようである。
 日本発を中心にパリで成功した見本市は7月上旬に4日間開く、漫画文化の「ジャパンエキスポ」だろうか。19年目、20万人を越える動員力で、フランス人が始めたものである。カンヌ映画祭、アングーレーム漫画フェスチバル、アビニヨン演劇祭、今はパリの隣町でローランガロスのテニス選手権、成功すると市の特色、シンボルとなる。パリはフランスの中心のようなもので、実に細かく各種、プログラムが一杯で、毎週のように専門見本市、学会や会議が各所であり、一般庶民のニュースとは無関係でも、専門家が集まって来て、お互いのビジネス交換をしている観光都市なのである。パリ市観光案内所の正式タイトをみても、「観光と会議」案内所と入っている。パリで開きますと言うと、世界から参加者や出席者が多いので、みなさん開きたがる方が多いのですと観光局側も答え、各市町村からみれば、羨ましい限りだろう。会場の需要も多く、市内、近郊のあちこちに分散して次々誕生し、見本市会場の需要に答えている。

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