岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2017年4月11日

「初夏の街角で絵を描いていて」

 キリスト教の復活祭の季節になり、また学校は2週間の春休みである。新学年度は9月からだから、日本の入学式や春休みとは少し違う。暦による移動祭日で、今年は4月16日の日曜日が復活祭になる。チョコレートが年間で一番売れる日で、型抜きされた、魚、兎、鶏、卵などのチョコレートが作られ、割れるとまた中にチョコレートやボンボンの詰まったものがこの祭日用に作られ、子供のための贈り物にされる習慣で、パン屋、ケーキ屋、チョコレート専門店、もうウインド一杯に緑のリボンをつけて飾られて、春になったなと感じられる。桜の街路樹は満開で散リ青葉、若芽の新緑が吹いて、時計は1時間進めて、夏時間に変わっている。
 人はそれぞれの趣味で生きている。学者、演劇の人、美術、音楽、スポーツ、それぞれが一杯に溢れているから、木枯紋次郎の「わっちには関係のないことでござんす」の気持ちでないと、この町では暮して行けない。5万7千人もの人が参加、シャンゼリーゼ大通りから朝8時スタートしたパリマラソンも、2時間少々で、関心の無い人には日曜日の朝寝の延長の内に終わっている。11月はパリ市の写真月間とかで写真展が溢れるが、4月はパリ第都市圏の写真月間なのだそうで衛星都市が開く文化催しの写真展やコンクールの企画で溢れ、この日曜日には56の催しがパリを巡って開かれていたそうである。写真機をコピーして売りまくったのは日本だが、写真術を発明したのはパリと、パリ圏なのであるのを思い出す。

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