「格差の無い社会に、
 何か良いことあるのだろうか」

 パリの屋根を世界文化遺産に登録させようという運動発足の、記者会見に出席した。パリ9区の女性区長さんの発案政策で、これで前区長を倒して昨年、当選したのである。確かにパリの屋根は、トタン張りで独特で、赤い素焼き植木鉢を伏せたような暖炉から続く煙突と共に特徴がある。しかも19世紀からの道路の交差角にあたる建物は円筒形にして、上に鐘楼や、凝った頂華飾りを烏帽子のように延し、威厳のある街並みだった。ところが近年は、雨漏り、大風の修理や、維持に金はかかるし、職人も居なくなって、削って平らにしてペチャンと平らにトタン貼って片付けてしまう不動産会社が多いのである。みるみる近頃は、平凡な屋根光景に変貌して行くから、昔日のような厳粛な町の面影を取り戻すのなら、大賛成である。文化情報省の承認を得て、それからユネスコに申請するので、まだ2年掛かるが、運動がスタートである。
 パリの兵庫県事務所で、神戸大震災20周年を記念して、追悼コンサートが開かれた。昨年初冬、交通事故で亡くなられた貝原前知事の黙祷もあった。「コンドルは飛んでゆく」で世界的な大ヒットを飛ばしたロス・ヤコス楽団5人組が、南米インカミュ-ジックの演奏を、1回35名の客に限り、昼夜2回、1日無料で追悼演奏してくれたのである。何とも洒落た、超贅沢な夕辺に招かれ、ご冥福をお祈りした。センスの良い企画力のある人がいると感心、さすが港町神戸である。
 パリ日本文化会館で、小林賢太郎の「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」と言う芝居が、3夜開かれた。自作の漫画も描く人で、身振りだけのエンターテイメント、ギャグの効いたスケッチ集。分かり良いので日仏子供まで含めて、満席であった。フランスのTV番組に「グランキャバレ」という、世界のナイトクラブの芸人芸だけを集めた3時間番組があって、土曜日の夜に大ファンである。中国人の芸人はよく出るが、日本のものはついぞ出ることがない。落語や漫才では話にならないし、派手なショウ性のある芸人が、日本には居ない、少ないのだと思う。「NHK昭和名人芸大全」見ても、寄席の舞台ではあっても、キャバレの華やかさでは通用しないなと、何時も感じるのである。

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