「BO-BO(ボボ)」

 パリ日本文化会館では、「KAIKO」(かいこ)という珍しい展覧会が、2月19日から4月5日まで開かれている。「回顧」ではなくて、「蚕」で、皇后の主催する皇居の中にある皇室養蚕所の展覧会である。日本でも中々見られないものと、評判が高い。皇室となると、周りの緊張度が通常と違うので、共和制の国に慣れていると、日本の違いが浮かび上がってくる。
 ルイ16世王妃マリー・アントワネットは、「ベルバラ」の方が日本にはお馴染みかも知れないが、ベルサイユのトリアノン宮殿の庭園に農家を作り、農村生活をして、牛の乳を搾ったり、当時の流行の哲学「自然に帰れ」実践していた。宮内庁主催のこの展覧会、何故パリで、何故この時期になって今このような展覧会が考えられたのかと、いろいろとこの国の歴史とも重なって、微妙な疑問が沸いてしまうのだが、絹による長い歴史の日仏交流、とにかく珍しい展覧会である。

2014年3月9日 赤木 曠児郎

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