「フランスで日本を売り込め」

 シャンゼリゼ劇場で第70回ロンチボークレスパン音楽コンクール記念の、ギャラ演奏会が開かれた。日本のマスコミ会社のグループ一社が、後援スポンサーでズット継続されているので招かれる。近年は韓国、中国、東洋からのコンクール参加者も多いが、この夜は日本人バイオリニスト成田達輝氏ほか、スエーデン人のソプラノ歌手、フランス人ピアニスト、3名の優勝者の演奏だった。
 カジノドパリ劇場で2日間だけ、中国から甘粛省舞踏団の「シルクロード」のバレーオペラ公演があって招かれたが、世界中を巡り400万人が見たとか。他にも上海バレー団とか、神韻悠々、サーカス団公演、次々と公演が目白押しで、目下中国勢の大きな看板が、街中にとても多い。
 日本大使公邸では、倉敷市紹介のパーティが市長さん以下の一行であったが、その翌週は京都から日本料理アカデミーの一行18名。菊乃井の村田吉弘団長以下、京都吉兆の主人など、関西の有名料亭の代表者が集まって、昨年日本料理がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたお礼とかで、日仏料理関係者を招いての交換パーティ。その前夜はフランス外務省サロン宮殿で外務大臣以下60名の客に、資材を運んで本物の日本懐石料理を作って、賞味してもらう大イベントだったそうである。フランスでは、料理が文化として取り扱われているのに感心したが、日本ではまだまだである。文化遺産にはなったので、今度はこの向上運動が目的であるとは、村田団長の挨拶。
 パリ日本文化会館では、加古隆と4重奏楽団の演奏会の夕べ。映画「最後の忠臣蔵」や、いろいろ伴奏音楽の作曲を担当する有名人。40年昔、パリの音楽大学でメシアンに作曲を学んでいたと言う人だから、柔らかく馴染みのいい、自身作曲のピアノに、堪能の一夜であった。

2014年2月10日 赤木 曠児郎

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