「昨今、タバコから思うことなど」

  国立ギメ東洋美術館で、北大路魯山人展(1883-1959)が始まり、9月3日まで続いている。生誕130周年を記念しての企画らしいが、丁度タイミングが、日本食文化を、ユネスコの世界無形文化遺産にと、富士山に続いて、今年の年末に審査というタイミング、日本の文化庁も大変に力を入れている。
   食器が家の格式の象徴であり、結婚の折りに144ピース位の、一式揃いのセットで家紋入りデザインでオーダー、生涯大事に使うのがステータスなフランスに、食べ物や、季節毎に器を変えて、目の新鮮さを出すのが日本料理。近頃ではフランスレストランなどでも、日本に学んで器を変えて凝って見せるようになった。ポール・ボキューズなどが日本に行って、持ち込んだ流行である。昔は白一色の同じような丸皿だけだったのである。それにこう離婚が多くては、家紋入りデザインでは困ってしまうかも。
  備前,志野、織部の職人を呼んで好みの意匠を焼かせ、料理を楽しんで出していた魯山人の生き方が、今評価され、日本各地の美術館やコレクターのもとにある魯山人焼が3室のホールに並び、これだけ集められたのは珍しいという。

2013年7月10日 赤木 曠児郎

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