岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2012年12月10日

「2012も暮れのパリ商店」

 シャンゼリーゼや、パリの商店街通りにイルミネーション飾りがつき、クリスマスシーズンである。若者男性も細いパンタロン、女性は脚にぴったりとしたストレッチジーンズ、または黒い毛のタイツ。1960年代が復活の最近で、懐かしいウールの短い丈のジャケット風コートや、ユニクロのヒートテックのタイトで短いジャケット姿で歩けば、腰の形はそっくり丸出しになる。巨大なのから、まあ色々なボリュームや形のあるもので、どうしてもそちらに目が行く。別にセクハラでも何でもないわけで、見せたいからそんな恰好をしているのだろう。中近東、アフリカン、西欧、お尻のパレード観賞を楽しむこの冬である。東洋人の体形は、本当にこの点迫力がない。細身が求められる現代、羨ましがられるだろうが。
 街路樹の葉が落ちて、枯れ木の美しい年末の季節に入ると、クリスマス、年末セールで賑わう。年中物が与えられて、甘やかされる日本の子供とくらべて、フランスの子供はクリスマスと、運が良ければ誕生日にしか、贈り物を買ってもらえない。だから年末は真剣なのである。この機を逃してあと欲しいものがあれば、毎月の定額小遣いから工夫して、自分で手に入れるより仕方ない。大人でも、恋人目的は別として、クリスマスだけ、親しい家族で贈り物交換をする。年末の二ヵ月が、日用必需品以外を商う商店にとって、年間売り上げの正念場となる。宅急便で、年中物を贈りたがる日本とは、恐ろしく習慣が違うのである。子供の玩具業者などこの二ヵ月が勝負、ところが好みが電子ゲームに集中、18ヶ月の子供まで電子ゲーム器に喜ぶとか、変わってしまったと報じられる。

page1/3