「おかしな気候のパリ」

 夏休み、面白い本を見つけた。昨年の12月に出されていた本だが、先頃帰任される所長さんが届けてくださった。ジェトロ(日本貿易振興機構)のパリ事務所が発行した「フランスで日本を売り込め」という日本語の本(1600円)である。ヨーロッパに伝統のサロン(見本市)を利用しての、経験レポートで、ずっと50年も前から、この見本市の役割と重要性を紹介しながら、あまり日本には理解されていなかったパリビジネスの基本と、実例が分かり易く解説されていて、やっと日本もここまで、来たのかという思いである。ドイツ語ではメッセというので、この語で名乗るのも多いかもしれない。販売元は官報取扱所、お役所の本としては、実に面白くて掘り出し物である。 8月15日は、マリアさま昇天のキリスト教の祭日、日本は敗戦記念日、旧盆、とにかく、この日をはさんでの週は、どこも休みで、一番商店がシャッターを降ろして、休みである。過ぎると、もう秋の幕開けの気分に変わる。
 

2012年8月10日 赤木 曠児郎

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