「春爛漫」

 パリのブーローニュの森の北側の一角に、ジャルダン・ダクリマタッションという、ややこしい呼び名のテーマパークがある。日本語に訳すと順化庭園となるそうで、さっぱり訳が分からない。フランスに現存では一番古い歴史で、ナポレオン3世皇帝がオープニング、現在トップのディズニーランドに続いて、フランス第3番目の年間入場者を誇る、遊園地と紹介されると、ヘーそんなものがパリにあったのと、皆の目が変わってくる。動物園があったり、珍しい展示館、メリ-ゴーラウンドなど、一応揃っている。人集めに毎年趣向を変え、世界の国を絞り、年間で一番人の入る一か月間、フェスチバルを春休みに開く。2005年に日本がテーマで、春祭りの企画を始め、インド、中国、韓国などと、毎年国がかわって異国文化を紹介してきたが、再び2012年、日本をテーマに立ち上げた。東日本大震災やフクシマの影響で、霞んでいた日本に、人の目が集まるので、巧みなものである。4月8日にオープン、5月8日まで、春爛漫の日本祭り。50幾つの屋台が並び、鯉幟が踊り、300を超す催し物が、連日目白押し。そりゃ会場提供だけで、手弁当で日本から押しかけ、キモノ着て、唄、踊り、お祭り開いてくれるのだから、パリ市も大喜びである。円高で有利だし、矢張り日本人はお金持ちなのである。
 

2012年4月12日 赤木 曠児郎

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