「すっかり黄金の枯葉の秋」

 尖閣映像流出のニュースが踊っていたが、国民は等しく知る権利があり、「機密」なんて国民を軽んじている証拠のように映ってしまう。機密が普通で、日本人の誰も疑問に感じていないのが、変だった。みなが全てを知って判断してこそ、政治なのであって、都合の良い部分だけ聞かされてでは、意見も何もあったものではない。太平洋戦争を経験した世代には、こんな機密主義の復活しているのが、不気味なのである。パリに、「カナル・アンシェイネ」(鎖に繋がれた家鴨)という週刊風刺漫画新聞があるが、記者クラブや政府広報に属さず、常に爆弾記事を出し、文化人に愛読され、信用がある。このような新聞が存続していることこそ、フランス・エスプリの真髄だと思う。
 フランスには、人民戦線の昔、早くから国民年金制度や国民健康保険制度があって守られ、それに合わせて人生の設計を立てている。援助の助成金、救済金の制度も、各種に及んでいる。国として行うのだから、財源は常に問題で、赤字対策には毎年頭を痛めている。今回は停年を二年延長、60才を62才になどなど、赤字対策。労働条件に政府が触るというのが、各労組反対の趣旨で、デモや、ストが頻発していたのである。日本だったら、停年延長、感謝して喜ぶ人の多いはずだと思えるから、全然、立場が逆なのであって、先ごろ10月以来のスト騒ぎは、日本に居ると理解し難い。フランスの人の夢は、早く労働から解放されて、自分のやりたい夢を持ちたいと考える。辞めたらすることが無いから、出来るだけしがみついていたい、天下りまでして稼ぎたい、ここではもっとも理解され難い考えである。ハードな労働のところでは、安全のため停年も早まっているし、業種毎の取り組みがされている。16・7才頃から早く職場に就き、40年ほど働いて、早くに満期になるよう職場につくのが普通である。やたらと学歴を上げても、それに見合う職場や収入が保証されるわけでもない、大学産業に冷静なのである。

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