「ペロペロ油を舐める秋」

 シャンゼリーぜ大通りに、今週H&Mの大きなブティックが新開店。この花の大通りには、もう衣料品の店が多過ぎると、政府が中々許可を出さなかったのを乗り越えてのオープン。家賃が超高い一等地、他は競争に乗り出せなかったのだろう。次は、話題のユニクロが花の大通りにオープンを狙うのではと、もうパリ雀の噂。この国に三年ばかりの新登場で、ここまで今やパリジャンに浸透、話題である。
 他には、世界モーターショーが二週間開かれている。150万人の入場者で、パリが世界最大とご自慢。集まってくる人数と、1898年6月13日第一回目以来、110年以上の歴史が重い。今年の話題は電気自動車合戦、オンパレードだそうである。
  日本の資生堂が、フランスに1981年初めて合弁企業を作って、企業進出して30周年。サンジェルマン広場で、芸術メセナ活動として、アーバン・アート・ボックス、つまりウインドウ箱に、現代若手造形作家にコンクールを開いて制作させ、賞金を出した。選ばれた6名の作家発表と作品展示で、30周年記念行事パーティがあった。ウインドウを造形作家に飾らせるのは、資生堂が1967年から毎年続けている行事だが、それをパリで30年記念行事として、コンクールを開き、広場に展示展開した企画だが、発表場所がセーヌ左岸。文人、アーティストの集まるサンジェルマン・デ・プレ教会前なのが渋く、憎い。齋藤大使、6区区長などの挨拶オープニング、30年が祝える日本からの海外進出企業は、やはり少ない。
 パリ日本文化会館で、御厨貴氏の「日本に政党政治は根づくのか」という講演会にでかける。一週間前に民主党代表選があったばかりだから、最新情報が知りたいと熱が沸く。巧みに今日までの日本の政党の成立史を、さすが、フランス人にも興味深い講演だった。現在と未来のことには、あまり触れられなかったが、とにかくわれわれの目には、職業世襲、二世三世家業政治家では、昔の股旅時代ものそのまま縄張り地盤争いで、派閥闘争だけというのを、やはり国民の目は厳しく良く見ていて、菅政府、一掃が進行。明治維新のように新人政治家登場で、フレッシュな政治が不安定なようでも、新生、生まれ変わるのではと期待して、外国暮らしには思えるのである。

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