「2月は逃げる」

 パリのオペラ座にも、スーベニアグッズの大きなブティックがあるが、今度新たにギャラリーラファイエット百貨店が、ここの運営に当たることになり、1月19日盛大に新装公開された。オペラやバレエに関するDVDなどバッチリ揃い、衣料、インテリア、オリジナル商品も色々。お土産に最高なのは、有名なオペラ座の屋根の上で、巣箱を置き養蜂業者が作っている蜂蜜だろう。一瓶15ユーロ(約2000円)で売られて、文字通りパリの窓辺の花や、公園の花壇から蜜蜂がせっせと運んだものだ。ここで手に入る。
 1月22日夜、パリ日本文化会館で、小野リサさんの、ボサノバコンサート。三晩続いた中日だが、日本で有名な人と聞かされ、若い人が多く満席。ブラジルで生まれ、10才まで暮らしたそうで現地育ち、発音に無理がない。むかし越路吹雪の「ムッシュー」の発音さえ、異質と感じたものだったから、道理でと思った。
 1月25日夜8時、フランスで一番視聴率の高いTF1のニュースの時間を独占、サルコジ大統領が国民に直接の訴え放送である。2年半でもう4回目、今回は11人の若い失業者から、隠退年金生活者、農業、いろいろな立場の人を招いて、直接質問に答える。結局2時間近く続いたが、専門政治家の党派争いだけのようなものとちがって、直接テレビで全国に説明し公約するのだから、素晴らしいことだと思う。翌日の全国のメディアは、この紹介、意見、各政党からの反論で埋まる。膨張する政府機関の出費に、予算や公務員の縮小整理、誰が聞いても当然な政策だが、教職員、病院看護人、鉄道、郵便など、もう労組のデモ、スト頻発の2月である。

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