カッフェ・プロコープ 1686
カッフェ・プロコープ 1686
 

「初夏」

 5年毎に改選される、ヨーロッパ議会議員選挙が一斉に行われたが、フランスからは76人(内4人は海外県から)の議員が選ばれた。ドイツは99人、英国、イタリー72人などの数字である。6月7日が投票日だったが、6割以上が棄権、三人に一人だけが投票に行くという関心の低さの結果にはびっくり。
 それでも、現大統領派が成功で人気を確実にし、社会党は失敗で評判悪く予想よりぐんと低く、予想外に緑の党、地球環境派が伸びて社会党と同数。もう翌日には、2012年のフランス大統領選挙には誰を候補に立てるのですかなどと質問が出たり、そんな気分である。この緑の党のヨーロッパ全体の代表の顔はダニエル・コーンベンディットというドイツ人。彼がフランスに留学生だった当時、1968年のフランス五月革命の首謀者となって、フランス国内立ち入り禁止が長かった人だから、時代は変わっている。二世、三世を許すなんて、ヨーロッパ人にはあまり考えられないことだし、(選挙で許せば、江戸時代のやくざ親分の縄張りと同じ結果になる)、何時までも同じ党派でなく、右の次は左という具合に交代して、自分たちの安全、バランスを守る賢さを選挙で行使して、ヨーロッパの人たちは心得ている。
 先週からルーマニアが建物の中で禁煙になったと、報道されている。パリの街を歩くと、ビル建物の入り口の公道上で、5人、6人とタバコを吸いながら雑談している人たちを見かける。手にタバコとコーヒーを持っている人たちもいる。今では一般建物の中で一切禁煙だから、小休憩時間に外に出て吸っている姿である。道路上で吸えば、同じことではないかと思うのだが、タバコ仲間が生まれ、コミュニティが誕生し、意見の交換がうまれる。社会体制に管理される姿よりは、悪くないと微笑ましく映る。

2009年6月11日 赤木 曠児郎  
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