第二帝政スタイルの屋敷
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「パリは三月」

 先月のサンローランとベルジェコレクション競売も、大成功で733点の美術品、金融不況のおりからどうなるかと思われたが、予想の350億円を大きく突破して、420億円以上の、世紀の記録という大人気、世界中のメディアにも報道された。自動車やITが、欲望の拡張で作りすぎ、溢れたというだけで、お金はあるのである。テレビのニュースチャンネルも押しかけ、売り立て風景は話題のトップだったが、会場の人々、顔を映されないようにみんな注意していて、誰もインタビューなどには応じない。その点、アメリカや諸外国から来た人達は気楽で、こんな機会は逃してはならないから来たとか、欲しいのを手に入れたとか、陽気だったが、フランスの人たちは極力知られないように、用心が目立った。過去の有名社交人たちとは変わった、リッチ層の顔ぶれが育っているが、富裕財産税という特別課金もこの国にはあり、目立たないのが美徳なのである。現在のこの不況こそ、新しい投資先を見つけるチャンスにすべきだなどと、世の中の変動に過去が通用しないので、お金持ちも困っているのである。それがこの競売の人気と、注目を加算したのだと思う。今はパリコレの話題の週である。秋冬モードの発表会、コレクション風景が、かわらず不況なんかどこ吹く顔で続いている。
 

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