岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。
モンパルナッスのカッフェ・ドーム
モンパルナッスのカッフェ・ドーム

【近況】
  
10月30日まで
  「マチュラン・メオとアカギ/西と東・二人の画家の出会い展」
パリ・モンパルナッス・ブルターニュ会館
10月16日〜26日
  「サロン・ドートンヌ」パリ
10月16日〜31日
  「IMA展」
パリSNBA共催・東京都美術館
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≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
講談社エディトリアル・株式会社第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)5319-4150
FAX(03)3944-5241
または、展覧会場でのみ発売
 
2008年10月7日

「またシーズンが始まった」

 10月に入ると、目茶苦茶に忙しくなってしまう。展覧会、演劇、コンサート、何でも一斉に始まるからだ。来春モードのパリコレや、モーターショーまであるから、もし本当に全てのパリのことをお伝えしようと思ったら、パンクしてしまう。もっともヨーロッパの銀行もパンクして、金融不安のニュースだけでも連日だが、相場の高かったユーロが下がり始めて、円の相場が上がり始めたので、庶民の日本人には少し息がつける。夏休みに入る前と、10月に入った現在とでは一割五分以上も違うのである。カッフェに入ってエキスプレッソ一杯飲むのにも、懐具合考えねばならぬほど、政治的に円は安くされていたのである。銀行利益と自動車などの一部輸出産業の利益だけ計って、庶民の懐や、利子収入など、踏んづけにして搾り取るだけの政策意図なのを、物価を一々円に換算して見ては、この一割五分の差を強く感じるのである。こんなに預金に利子をつけない政策で、円を安く下げてしまっては、逆に輸入する石油や食品原材料が高くなって都合が悪くなったので、庶民の利益を考えてくれている訳ではないのは百も承知しているが、それでも自分たちの円財産の評価が、政策、企業利益判断で不当に安くされてしまっているより、高いほうが気持ちよく、元気が出るのは普通の感情だろう。

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赤木曠児郎氏 略歴
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