ギマール設計ポール・メッラザ邸
 

「新大統領のフランス」

 討論は二時間半一寸続いたが、女性候補が大失敗をした。どうしても勝たなければと興奮したのだろう。そっくり返って権柄ずくを演じてしまったのである。相手に喋らさせないように、噛みついて押さえ込もうとしてしまったのである。男性の方は下手に出てマダム、マダムと丁寧で、煽るほど勝っていた。同性の女性であっても、途中で気分が悪いと見るのをやめてしまうくらい荒々しく、男は家庭を思い出し、家で奥さんとの討論で頭を悩ませているのに、表の場でもこんなのはもう沢山だという気分。政策より何より勝負がついてしまったのである。翌朝いよいよ3日後の決戦投票日をひかえ、 ラジオで女性候補も指摘されたのか優しい声で愛嬌ふりまいたがもう遅い、みんな見てしまったのである。
 権柄な女性はやっぱり世界中みんなみっともないのである。もし淑やかに穏やかなマドンナを演じていたら結果は分からなかったと、投票の終わった今日思う。あれだけやっても、一割の差も開かないのも、この国の左翼の根強さをあらためて感じさせられる。若者、貧しい人、失業者、高齢者に福祉政策といっても、何処に財源があるのか。結局働く人から税金で集めて、まず政治家や役人が自分たちの分け前を天引きして、残りを分け与えるだけ、気分のいいことを言うから投票システムで票が集まるが、要は国民が払わされるのに変わりはない。右側は競争社会を言い、少し苦いけれど努力しなければと、当たり前のことを訴えているように思うのだが、社会福祉主義の口先は、甘い幻想の蜜のようである。

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