シャンドマルスの
ポール・デシャネル並木道
 

「赤いコート」

 3月7日から1ヶ月だけ、パリの日本文化会館で、わが岡山の大原美術館から52点の棟方志功の作品が運ばれて、作品展が開かれる。青森県立美術館にあるパリをテーマの4点も加わって、全体では56点だが、大原家所蔵で美術館には飾られたことのない肉筆の緋鯉の絵の屏風や、ミミズクの絵の屏風も展示されるとのこと。エッフェル塔の近くセーヌ河畔に建てられた同館は今年開館10周年になり、いろいろな日本文化紹介の記念企画が目白押し、初代館長は人気キャスター磯村尚徳氏だったが、7年の任期が終わり、現在は元商社マン、三井物産パリ支店長で在仏日本商工会議所の会頭も永かった中川正輝館長。それぞれの出身で少しづつキャラクターも変わり文化性中心のホールから、協賛企業とのタイアップ拡張に力が入る。高階秀爾氏も名誉館長で、同氏が大原美術館長ででもあるので今回の企画が実現した。丁度ベニスビエンナーレで棟方志功のニ菩薩釈迦十大弟子の版画が版画グランプリを得て50年になり、半世紀振りのヨーロッパ里帰り展示にもなる。縄文土器、広重江戸百景、江戸小紋型紙展など、同館人気だった企画展示で通常一万五千人くらいの入場、2ヶ月、3ヶ月の期間だから、今回は短く1ヶ月だけなので、口コミ評判が中心のパリで、どの位集まるだろう。現在までのヒット大記録は草間弥生展で、子供の間に気に入られ二万五千を集めた。

2007年3月5日 赤木 曠児郎  
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