岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。
ノートルダム寺院(1)

【近況】

朝・午前中はアトリエで制作。午後・日没までは外で素描原画の制作。当分これが日課です。
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≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
講談社エディトリアル・株式会社第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)5319-4150
FAX(03)3944-5241
または、展覧会場でのみ発売
 
2007年2月6日

「煙草と大統領選挙」

 2月初め、この二つの話題で、新聞ニュースのほとんどを埋めている。1月22日に94才で亡くなったピエール神父の国葬的扱いも、まことにフランス的、生涯を貧民の生活改善運動に捧げた神父様、そこにマスコミが殺到し、17ページとか、全紙の半分位を使って神父様の生涯とか活動を書いた一般紙まで。もちろんパリのノートル・ダム寺院での葬儀には、大統領から首相、政治家はみんな押し掛ける。テレビで流れそうな、こんな時には、かならず顔を映して置かないと、選挙で足をすくわれるから、わーっとますます大騒ぎになるのがパリだ。その前2日間、遺体が安置され一般のお別れ哀悼を受け入れていたバル・ド・グラース寺院では、並んだら3時間半の行列だったと、学校の友人が話していたから、沢山のパリジャンが押し掛けたのである。ノルマンディ地方の神父の運動団体墓地に葬られたが、住民500人の小村が、墓参団体バスでこの週末1万人の大混乱、一躍有名地になって困惑している。
 関連して、ピエール神父が救済に力をいれた、増え続けて困っている住所不定、路上住人の対策も、冬場なので路上凍死者を出さないよう、大きな取上げで連日賑わす。とくにこの問題ではある俳優の言い出した「ドン・キホーテ」と名乗るNGO団体が出現、急にマスコミの脚光を浴び、浮浪者にも屋根の権利をと救済活動やデモ。これに政治家が乗って、政治の責任みたいなことになって来て、社会の連帯ばかりが大受けするのだが、何か筋が違っているような気がする。神父様のような慈善活動や、圧力デモ団体で要求するようなこと、義援金などは、本来なら個人が責任を果たし、政治がよければ不要なはずのものなのにと思うのである。

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赤木曠児郎氏 略歴
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