トリアノンパラス・ホテル門柱
 

「日本・パリ往復」

 戦争が始まりそうだったり、いろいろとあるが、社会保障制度が行き渡り、何かしら助成金や援助制度があって、重い税金負担や年金負担はあっても、基本生活を政府や政府組織が保障してくれるように、永い努力をして制度を作り出している。外交、生活保障、治安、面倒なことは決められた税金を働けるあいだに払って、国に任せて、育児、勉学、医療のことから老後まで、他人に考えてもらってのんびりと過ごそうというのが、このフランスでの一般的風潮。制度から落ちて、はみだす人ももちろん発生するが、大半はまず自分の権利で受け取れるものは、受け取れるだけ受け取って、休暇や休み、お喋りの静かな生活が、生きる目的の第一に成る。
 競争をして、自分を守り、生きて行かなければならない国とは、理想が違うのである。日本も経済発展、生産向上が目標だった国から、少子化社会、高齢化社会の到来と共に、フランスのような考えの社会主義的保障、保護の完備に、関心が移っているようである。豊かで、物が溢れ、皆が最低でも物資豊かに暮らしてゆける社会基盤が出来ているから、こんな西洋パターンに、追いつけ、追いつけと目標にしているのだろう。政治家とは、私に任せてくれればこんな生活を皆に保障しますと、わざわざ苦労を背負っているようなもので、風変わりな人達なのかも知れない。フランス大統領も今年が最期、政党資金の政治スキャンダル事件ばかりが多く発生、みなの期待に答えられなくて来年は別の人が大統領とスッカリ見放されていて、冷たい空気の政府面々が顔を並べる、フランス革命記念日の軍隊パレードが、半日テレビに映し出されていた。

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