ファーブル・モンマルトル通りにて
 

「秋・見本市も始まった」

 製品紹介の一般向けが博覧会で、毎年「パリ博覧会」も開かれ、70万人は入るし、国際的なのが「万博」となる。パリで年間420の見本市が開かれ、内225は一般を入れない業界専門関係者だけの見本市である。この他に年間1300くらいの会議・催し(内382は国際会議)が開かれている。一般と業者ミックスの自動車ショーは毎年150万人の人を集めてトップだが、パリの観光所が正式の名前を「パリ観光及び会議局」と名乗るくらい、市振興の知られざる要素なのである。外国人も集り、それに伴うホテル、レストラン、娯楽、市中すべてが潤う。大きな見本市の日に当たると、1年前からパリ中のホテルが予約で満室も珍しくない。
「プレタポルテ」という言葉を衣料品に聞いて、もう珍しくないが、1949年にあるフランスの既製服メーカーが、英語の「レディトゥウエアー」(既製服)をフランス語に当てて直訳した言葉である。たった半世紀で広まった言葉の新業種で、それ以前には無く、オーダーメードの洋裁店が主流で、既製服を着る人なんて馬鹿にされ、見下げられていたのである。

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