バスティーユのオペラ座
 

「猛暑」

このところ34℃という暑さでは、もう足下まで裸が第一だが、平常の夏に戻れば、結構流行るだろう。本来、北海道や軽井沢のような気候が普通のパリでは、石造りの家には冷房装置は不必要で発達していなかったのだ。車にだって冷房は無いのが当たり前。日本が暑過ぎる気候地帯なのである。
 浮世絵展が盛んである。昨年9月から今年の1月まで、パリの国立グランパレ美術館で、17世紀から18世紀の日本女性の姿をテーマに集めた「浮世絵展」。ゴーン社長のニッサンがスポンサーで、肉筆、版画、春画まで含めた270点が展示され、話題を集めたが、現在5月から7月はパリ・日本文化会館で「広重・名所江戸百景」展が開かれ、人気を集めている。そして7月から8月は、国立ギメ東洋美術館で、太田記念美術館の所蔵する150点の「大浮世絵名品展」が、NHK主催で開かれる。
 江戸東京博物館が所蔵の、晩年広重が作った120点の江戸百景シリーズの初刷り作品は、東京伝統木版画協会が日本の浮世絵技術の伝統を受け継ぐ東京最後の彫師、摺師の生き残りを総結集し、6年近くかけて復刻 し、今春発表し、話題となったが、ヨーロッパでも研究者があって専門画集も出版され、広重というと東海道しか思い浮かべない日本より、よく知られているくらい。

BACK NEXT

page2/3