岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

シャンドマルスからのエッフェル塔

【近況】

パリにもどり、また描き続けています。次回は5月に岡山に展覧会が巡回されるので行きます。
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≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
株式会社 第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)3235-3051
FAX(03)3235-0158
または、展覧会場でのみ発売
 
2005年1月19日

「パリに帰って・・・」

 年末・年始を日本で過ごしたのです。41年振りの日本でのお正月です。ヨーロッパ暮らしでは、1月1日だけ休日で休養して、2日からはもう平常通り。日本のお正月は物事の新らたまった行事なのにと少し欲求不満に思っていたのですから、日本の中心、日本橋界隈で過ごすお正月に大変な期待をしたのでした。
 関西では平らなのに、ピンと角を立てて上下二本縄を結び、各ビルの前に飾られる門松飾りが並び始めた頃から、もう日本に居るんだと、展覧会場との往復の間にも気分は盛り上がったのでした。地区の火消しが仮小屋を建て、注文のお飾りや注連縄を配って歩きます。41年昔、東京に暮らしていたころ絵は売れないものと決まっていたので、生活のため家内と二人で婦人服と婦人帽子のデザイナー・アトリエを始め、仕事を頂いては年末ギリギリで間に合わせ、お客様にお届けしてお駄賃を頂いて帰る。世間はお正月準備で賑わっていたけれど、ラーメン一杯が年越しのご馳走だった東京暮らしを思い出したのでした。明日がどうなるのだろう。銀座の灯は夢のようなものだったのです。展覧会を開いてくださる新聞社、絵を求めてくださる人があるなんて考えられないような事が現実となって、今東京の中心、日本銀行本店の脇に泊まって居ることが不思議なのでした。

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赤木曠児郎氏 略歴
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