パリジャン達 (II)
 

「秋」

 世の中は不景気、というより生活必需品の商品が溢れて豊か過ぎ、もうゲボゲボで何も買う気のしないのが現代の先進国社会。旅行だとか、インテリア、食べるものには結構お金は出費されていて、まんざらでもないのだなーと感じさせられることが多い。このアンチークの趣味に蒐集家は沢山あって、パリやどこのヨーロッパの都市でも、専門店が多いのに気付かれるだろう。豪華な店、いかにも掘り出し物のありそうな店、ひっそりと見えて超有名店、どの通りにも、どの地区にもあり、日曜日の大通りには、地区の区役所が主催のテント張り野外古道具市まで開かれ、並んで賑わう。
 大ビエンナーレと同じ時期に、エッフェル塔下のセーヌ河岸で第20回パリ骨董見本市が、またポルト・マイヨの国際会議場のホールで第一回趣味の骨董見本市というのも、それぞれ数十社のアンチーク商が、また別に集まってイベント見本市を開いている。経費をふんだんにかけた大手の大物だけでなく、こちらには手ごろな掘り出し物がありますよと言わんばかりで、同じ時期に三ヶ所開かれ、世界から集るのを盛り上げるし、人の下について、言いなりになるのが嫌われる、独立好きのパリジャンらしいのである。


2004年9月22日 赤木 曠児郎  
BACK  

page3/3