シャロンヌ大通りのカッフェ
 

「バカンスのはじまり」

 アビニヨンの演劇祭など、日本でも有名だが、結局8日から始まる予定が、やっぱり開けない。地方の都市は、この産業を当てにしている面もあり、大打撃で、文化大臣は団交を受けるのに、大忙しである。政府の発言によると、映画、音楽、演劇、その裏方、技術者、芸能人関係組合の失業保険などは、払い込まれる掛け金の8倍、毎年出てゆくのだそうで大赤字、1年に正規に3ヶ月働けば、あとは失業保険で補償されるという現在の制度では、保険が成立しない。少しずつ節約するように、制度の改正法案を出したら、この騒ぎというわけである。5月、6月のスト・デモは公務員保障が、一般労働者に比べてあまりに有利な条件になっているので…という制度改正からであった。
 それでも、いろいろな年中行事がパリでは賑やかで、100周年を迎えるフランス一周自転車競技が、5日から出発した。世界中から集まった、より抜きの198名の選手が22のチームを組んで、個人、団体競技、色々に、7月27日にパリのシャンゼ・リーゼにゴールするまで、決められたコースを走る。山あり、谷あり、連日スタートとゴールに選ばれる地方都市では、沢山のテレビ報道陣、催し屋台のトラックが続き、お祭り気分な国民的人気行事で、優勝者にはパリ市長が直接トロフィーを渡す。日本では競輪というと顔しかめるが、こちらではサッカー以上の格式と伝統の扱いなのに、驚かれるだろう。7月はこれ一色、終わって本当の夏休みになるが、今年は開始100年目とあって、一層盛り上がっている。

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