フロール館
(ルーブル美術館)
 

「春が来た」

 たまたま、古い知人のトリイ・ユキさんが、オペラ座の小ホールでコレクションを開くというので、案内状を今回もくださり出掛けたが、朝10時からの案内、きっかりに着いたが4・5人だけ。ポツポツとジャーナリストたちが来始めるのが、10時20分ころだろうか。 10時30分になって席が大体埋まり、コレクションの始まったのが40分からだった、11時にどうしても人との面会約束があるので、コレクション開始後5分して出て急いだけれど、これが別にとくべつのことでなくて、パリ・コレクションの普通なのである。どうもジャーナリストたちが、開始時間におくれて遅く来て、ちゃんと自分の席が取られていて、そこに案内される優越感を満足させ、格好よくみせようという魂胆、風潮で、ますますエスカレート、最重要と思われる報道媒体の席がポツンと名札がさがって空いていて、そこにやっと記者が現れて座ってから、やおら始まる。この優先エリート意識くすぐられてたまらないようになっていて、毎回どのコレクションでも、駆け引きが繰り返され、ゲームみたいなのである。 こんなことが1日中繰り返されて、習慣のようになっていて、慣れきった仲間うちの間で、世論がつくられ、全然外の世界と関係のない報道だったなと、無駄を感じてしまうのである。

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